2児のパパスイマーの“継続は力なり”!

マスターズ水泳歴10年。短時間で効率良い練習を日々研究。-理学療法士からの視点を踏まえて-

【論文考察】男子は"可動性の低さ"、女子は"可動性の高さ"と"練習量"が肩関節障害のリスクになる ~若年競泳選手の肩障害発生因子となる身体特性の解明~

どうもパパかっぱです。

 

 

水泳でのケガはやはり肩が多いですよね。

 

次いで腰とかになるんですかね。

 

肩のケガについて興味深い論文を見つけたので、お勉強しましょう。

 

 

男子は"可動性の低さ"、女子は"可動性の高さ"と"練習量"が肩関節障害のリスクになる ~若年競泳選手の肩障害発生因子となる身体特性の解明~

 

 

 

 

 

www.nuhw.ac.jp

 

 

若年競泳選手の多くは肩障害を経験しており、男子より女子選手の方が発生率は高いといわれてます。しかし、その発生因子と性別による違いは解明されていません。著者らは、練習状況、肩回旋幅、肩関節内・外旋可動域、中指間距離を用いて肩関節の可動性を測定した後、1年間、肩障害発生を追跡調査しました。その結果、肩回旋幅と練習量が発生因子として抽出され、男子では可動性の低さ、女子では可動性の高さと練習量がリスクになることが明らかとなりました。

 

本研究の結果は、性別に配慮することで若年競泳選手を肩障害から守るための安全なコンディショニング指導に役立つといえます。例えば、障害予防を目的にストレッチ指導を行う場合、男子選手に対しては肩関節の可動性を高めるため有効ですが、過度な可動性をもつ女子選手に対しては効果的ではない可能性があります。また、肩回旋幅は肩障害のリスクを予測するための方法として応用が期待されます。

 

性別ごとにジュニア競泳選手の肩障害の発生因子となる身体特性の解明を試みました。
肩回旋幅、中指間距離、肩関節の内・外旋可動域を測定し(図1)、1年間、肩障害発生を調査しました。
男子では肩回旋幅88㎝以上、女子では肩回旋幅54㎝以下、6000m以上の練習量がリスクになることが明らかとなりました。

(肩回旋幅は数値が大きくなると可動性の低さ、数値が小さくなると可動性の高さを示す)

 

 

 

 

私なりのポイントは

 

●若年競泳選手の多くは肩障害を経験しており、男子より女子選手の方が発生率は高い。

 →練習状況、肩回旋幅、肩関節内・外旋可動域、中指間距離を用いて肩関節の可動性を測定した後、1年間、肩障害発生を追跡調査

 ⇒男子では可動性の低さ、女子では可動性の高さと練習量がリスク

 

●障害予防を目的にストレッチ指導を行う場合

 →男子選手に対しては肩関節の可動性を高めるため有効

 →過度な可動性をもつ女子選手に対しては効果的ではない可能性があり

 

●肩回旋幅は肩障害のリスクを予測するための方法として応用が期待できる

 →男子では肩回旋幅88㎝以上

 →女子では肩回旋幅54㎝以下、6000m以上の練習量がリスクになる

 

 

 

個別性を考える

 

子供に水泳の指導している方はぜひ知っておいた方が良い内容でしたね。

 

男女で肩障害の発生要因が異なるということです。

 

男子は『肩の可動性の低さ』

 

女子は『肩の可動性の高さ』と『練習量』

 

がリスクになりやすいとのことです。

 

これ面白いですよね。

 

可動性が低くても高くてもリスクになりやすいんです。

 

可動性が高いって良いように思いますけど、過可動性となると実は他の関節などに負担がかかっています。

 

適切な位置での筋出力でないと、無駄に力が入ってしまい、関節や筋肉を傷めてしまいますね。

 

 

ストレッチに関しても、一概に同じ内容を促すのではなくて、男子には可動性拡大目的で行い、女子には適切なポジションでの筋出力などを促した方が良いのではないかな思います。

 

 

また、女子には練習量も気を付けた方が良いとのこと。

 

過剰な練習量はケガの元です。

 

男子と女子の練習量も分けて考えるべきなのかもしれません。

 

 

指導者はそこまで個別性を考えて練習メニューを作った方がいいですね。

 

・・・大変ですね。

 

ご参考になれば。

 

 

 

 

まとめ

 

男子・女子の特性を踏まえて練習メニューを工夫しよう。

 

では。