どうもパパかっぱです。
突然ですが問題です!
『股関節内旋の主動作筋は??』
・・・・
・・・
・・
・
基本的には
・小殿筋前部線維
・中殿筋前部線維
・大腿筋膜張筋
です。
パッとでてきますか?
我々理学療法士は1秒でもちろん出てきますが、意外とパッと出てきにくいんじゃないですかね。
肘屈曲は上腕二頭筋!みたいにメジャーじゃないですもんね。
さて、私は以前からドルフィンキックには股関節内旋がとにかく重要!と何度も言ってきました↓↓
より知識を深めていきましょう。
股関節内旋筋、股関節外旋筋出力の優位性
股関節内外旋筋出力の優位性は、一般的に外旋筋出力の方が高いとされている。しかし、股関節伸展位(解剖学的肢位)での報告が多く、関節角度や姿勢変化に応じた筋出力の優位性についての報告はまだない。適切な評価や治療を施行するためには、異なる肢位での筋出力の優位性を把握することは重要であると考える。そこで今回、運動肢位の違いによる股関節内旋筋と外旋筋の筋出力の優位性について若干の考察を加え報告する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
股関節伸展位での内旋筋出力は58.9Nm、外旋筋出力は74.8Nmであった。また股関節屈曲位での内旋筋出力は98.2Nm、外旋筋出力は80.6Nmであった。伸展位では外旋筋出力、屈曲位では内旋筋出力が有意に高い値を示した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回の測定では股関節屈曲位と伸展位では内外旋筋出力の優位性が逆転する結果となった。要因として肢位が異なることにより股関節内外旋に参加する筋が異なることが伺えた。一般的に股関節内旋筋の主な動筋は、小殿筋前部線維・中殿筋前部線維・大腿筋膜張筋であるが、KAPANDJIらによると梨状筋は股関節屈曲60度以下では外旋筋,60度以上では内旋筋として働くと報告している。またDelp SLらは大殿筋上部線維・中殿筋後部線維・小殿筋後部線維・梨状筋は伸展位では外旋筋として働き屈曲位では内旋筋として働くと報告している。つまりこれらの筋作用の逆転が今回の結果に大きく関わったと思われた。
私なりのポイントは
●股関節伸展位では外旋筋出力、股関節屈曲位では内旋筋出力が有意に高い値
●梨状筋は股関節屈曲60度以下では外旋筋、60度以上では内旋筋として働く
●大殿筋上部線維・中殿筋後部線維・小殿筋後部線維・梨状筋は伸展位では外旋筋として働き、屈曲位では内旋筋として働く
●股関節の肢位による筋作用の逆転が、内外旋筋出力の優位性の逆転につながった
股関節屈曲と内旋の組み合わせ
股関節内旋筋が難しいのは、股関節のアライメント(肢位)によって、一つの筋でも作用する方向が変わってきてしまうんですよね。
今回の論文から、股関節屈曲+内旋の筋出力は優位に働くことが分かったと。
これってドルフィンキックを考えてみると、蹴り出すときには股関節伸展位から屈曲しますから、内旋とは相性がいいという見方もできるかもしれませんね。
ただし、梨状筋は60度以上で内旋として働くとのことだったので、さすがにドルフィンキックで60度までは屈曲しないと思いますね。
なので、あくまでも仮説でしかないんですけど、小殿筋前部線維・中殿筋前部線維・大腿筋膜張筋に加えて、屈曲することで大殿筋上部線維・中殿筋後部線維・小殿筋後部線維・梨状筋が加わり、より強い股関節内旋によるキックが打てる・・・かもなー、くらいに頭に入れておくといいかもしれません。
詳しい解剖は
もうひたすら本・図を見て覚えるしかないですね。
解剖に始まり、解剖に終わる。
これだけは間違いないと確信しております。
今回はやや専門的な話になってしまいましたが、少しでも参考になれば幸いです。
まとめ
股関節屈曲+内旋にて、ドルフィンキックを極めよう。
では。