どうもパパかっぱです。
ようやく左肩の痛みが軽減してきました。
日常生活には支障ないくらいです。
かるーくなら水中で腕を回すこともできます。
ただ、今月は肩トレはしないと決めたので、しばし下肢トレのみで頑張ります。
油断大敵ですね。
さて、以前の論文から体幹深部筋のトレーニングがスタートのタイムを縮めることが分かりました。
体幹筋の賦活と四肢の運動を神経学的観点からとらえた論文がありましたので、勉強しましょう。
皮質脊髄路における体幹筋の神経学的結合の存在
【概要】
・一次運動野内である局所の興奮が生じると、隣接領域にも波及し、その領域の皮質脊髄路の興奮性に影響を与える。この作用を”remote effect”と呼ぶ。
・本研究では、体幹筋のremote effectを明らかにした。すなわち、「体幹筋の収縮中に上肢や下肢筋のMEPが上昇するか」、という点を調べた。またこの効果量を比較するため、上肢や下肢筋、咬筋収縮時にも同じような効果があるか検討した。
・結果は、体幹筋の収縮は、安静時の上肢や下肢のMEPを上昇させた。また、上肢筋の収縮は体幹筋のMEPを上昇させた。これらのことから、体幹筋は一次運動野内において四肢に興奮を伝播させやすい性質を持ち、特に上肢-体幹間で相互作用が生じやすい関係がある。
・これらのことから、四肢の筋を鍛える際に体幹筋との連動が重要であること、体幹を鍛える際に上肢筋の収縮を伴うことが重要であることが、神経学的に示唆されたと考えられる。
【私見・明日への臨床アイデア】
・今回の知見は、運動連鎖の重要性を神経学的に示唆したものと考えられる。例えば立ち上がり時に骨盤前傾を誘導し体幹筋の活動を高めることで動作が行いやすくなるが、この神経学的な一因として、体幹筋の収縮により下肢筋の皮質脊髄路興奮性が高まり、出力がしやすくなることが考えられる。
・また、スポーツ場面でも体幹筋が持続的に安定していると、上下肢のパフォーマンスも向上することが知られている。運動療法やハンドリングへ応用するには療法士の技術が問われるところであるが、例えば上肢のプレーシング行い、骨盤のtiltingにより体幹筋の賦活を行う。その状態で立ち上がりや歩行の運動を行うと、効率よく運動が行えることが考えられる。
・逆に脳卒中者や高齢者では皮質脊髄路の損傷や機能低下により、間接的に一次運動野内の連関にも影響を及ぼすことが考えられる。このような脳状態を推測しながら介入できれば、まさしく療法士の強みではないだろうか。
水泳へ活かすポイント
・体幹筋のremote effect(一次運動野内である局所の興奮が生じると、隣接領域にも波及し、その領域の皮質脊髄路の興奮性に影響を与える)ことを明らかにした。
・体幹筋は一次運動野内において四肢に興奮を伝播させやすい性質を持ち、特に上肢-体幹間で相互作用が生じやすい関係がある。
・四肢の筋を鍛える際に体幹筋との連動が重要であること、体幹を鍛える際に上肢筋の収縮を伴うことが重要であることが、神経学的に示唆された。
・スポーツ場面でも体幹筋が持続的に安定していると、上下肢のパフォーマンスも向上する
です。
簡単にまとめると、“体幹筋と上下肢筋(特に上肢筋)を同時に鍛えると効率よく鍛えられる”可能性があるということです。
ここから考えると、以前の論文で
「Elbow Knee」
「Elbow Knee+手挙げ」
「Elbow Knee+ 脚挙げ」
を体幹深部筋トレーニングとして行っていましたが、
「Elbow Knee+手挙げ」
「Elbow Knee+ 脚挙げ」
の二つの方で良いんじゃないかな、と個人的には思います。
前々から私が言ってました、じっとしている体幹トレーニングじゃなくて、四肢の動きを伴った体幹トレーニングのほうがいい!ってのが優位性を増しましたね。
ちなみにですけど、セラピスト的には脳卒中の治療においてもとても有益な情報ですね。
つまり、上肢のプレーシングなどで上肢の筋活動を賦活させた中で、体幹中枢部の賦活を図る(逆も然り)と効率よく賦活できるということですね。
やはり姿勢コントロールの中で四肢を使うというのが大切ですね。
一次運動野である4野から四肢の随意運動を形成している皮質脊髄路が出ますが、四肢近位部を支配している皮質延髄網様体路も 同様に4野からでます。
さらに、体幹を支配している皮質橋網様体路はお隣の6野からでます。
場所から考えても、皮質脊髄路が賦活すれば、ご近所さんの体幹を支配している経路が賦活されるのも納得できますね。
まとめ
体幹と上下肢(特に上肢)を同時に鍛えましょう。
では。