どうもパパかっぱです。
以前にも書きましたが、私の職場は2階から5階までを階段で行き来します。
昇るだけで疲れるんですよね。
ポジティブに考えると日常生活の中でトレーニングができるとなると一石二鳥です。
そこで、階段昇降による得られる筋活動について興味深い記事がありました。
お勉強しましょう。
階段昇降で体幹筋の促通
vol.399:階段昇降による体幹の筋の促通 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー | 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 | STROKE LAB 東京
【方法】
・20人の健康な右利き男性で腰背部痛の既往がない者を被験者とした。
・被験者は理学療法士により腹部を引っ込める運動(AH)が正しく行えるように訓練された。被験者はゆっくりと呼吸する間、上腹部と背部と骨盤を動かさずに、ヘソより下の下腹部を優しく、ゆっくりと吸うよう指示された。
・被験者はAHを口頭指示と触覚フィードバックにより練習する。きちんとAHが行えるようになるまで腸骨稜から2cm中央に被験者の指を置いて触覚のフィードバックを用いて練習した(Fig. 1)。
・Stabilizer pressure biofeedback unitを使ったフィードバックで腹横筋を活動させる訓練した。
・背臥位と膝を立てた背臥位、片側の下肢を空間位で動かしながら片側の足底のみが接地した背臥位、片側の下肢を空間位で動かしながらもう一方の足底も接地させない背臥位で行った(Fig. 2)。
・膝を立てた背臥位で超音波フィードバックを見せながらAHを練習した。AHの前に被験者は咳をするように指示され、腹部の筋の動きを見られるようにした。その後、片側の下肢を空間位で動かしながら片側の足底のみが接地した背臥位、片側の下肢を空間位で動かしながらもう一方の足底も接地させない背臥位でも行った(Fig. 3)。
・電極は多裂筋(MF)と腰部脊柱起立筋(LES)と胸部脊柱起立筋(TES)と外腹斜筋(EO)と内腹斜筋(IO)と腹直筋(RA)に貼り付けた(Fig. 4)。腹横筋(TrA)と内腹斜筋(IO)の収縮は分けて記録することが困難なので、TrA-IOとして記録した。
・EMGによる測定は3回行われ、平均が分析に使われた。二乗平均平方根(RMS)はEMGの生データから計算され、筋活動の水準を定量するためにRMS3回の平均は最大自動収縮(MVC)について標準化され、MVCに対するパーセント(%MVC)で表した。
・MVCを決めるために被験者は3回のトライアルの後に数分をおいて、最大の等尺性の体幹屈曲・伸展・左右への回旋を行なった。被験者は椅子型の動力計にまっすぐに座るように指示され、それぞれの運動を3回繰り返すように指示された。腹横筋のEMG MVCは座位で出来る限り強く咳をしてもらうことで得た。
・被験者はEMGをつけた状態で階段昇降を行なった。高さが0.17 m、奥行き0.27 mの12段の階段を用いた。階段昇降直前に腹横筋の収縮を理学療法士が触診して評価した。腹部の筋の疲労を防ぐためにトライアル間に最低20秒の休憩を挟んだ(Fig. 5)。
【結果】
・腹部を引っ込める運動(AH)をしてからの階段昇降はAHなしよりにより、多裂筋(MF)と腹横筋(TrA)と内腹斜筋(IO)はより強く働いた(Fig.6)。
・しかし、他の筋については有意差が無かった(Table 1)。
・体幹のローカル筋とグローバル筋の活動の比を計算したものをTable 2に要約した。
・体幹のローカル筋/グローバル筋の活動比は腹部を引っ込める運動(AH)ありの階段昇降でより高く、腹横筋(TrA)-内腹斜筋(IO)/外腹斜筋(EO)は有意に高かった(p<0.05)。
体幹深部筋に効果がある方法
この論文でのポイントを私なりに簡単に書くと、
● 腹部を引っ込める運動(AH)してから階段昇降
→多裂筋・腹横筋・内腹斜筋がより働いた
⇒体幹深部筋の活性化に役立つ
ってところですね。
腹部を引っ込める運動というのはおそらくドローインのような運動だと思います。
詳しく知りたい方は写真が原著にあるのでご覧ください。
ちなみに、ドローインについては私はどちらかというと否定派です↓↓
この実験って、腹部を引っ込める運動をした後に階段昇降をしていますが、これって別に階段昇降じゃなくても体幹深部筋が活性化しそうですけどね。
何よりも、事前の腹部を引っ込める運動をきちんと指導できるかが大切ですね、おそらく。
逆に言うと、腹部を引っ込める運動(AH)さえきちんと身に着けることが出来れば、他の動作においても深部筋の活性を伴えると思います。
階段昇降のエネルギー
かなり前にも階段昇降については調べました↓↓
3.5メッツといって、軽いウエイトトレーニングと同程度、らしいですよ。
1日に5回程度の階段で、30~35回の自重筋トレを実行しているのと同じ効果を得られる、と書いていました。
結構な負荷量ですよね。
階段トレーニング方法
私オリジナルの階段の昇りトレーニング方法も以前に書きました↓↓
『足首の後ろ半分を出しながら、若干踵を沈めた後でビヨンと上に登ります。
ひらすらこれを繰り返すだけです。』
やや専門職的に書くと、
①前足部のみ階段にかけることで、足部を背屈位に
②踵をやや下げることで下腿三頭筋の長さをつくる
③伸張反射を利用し、下腿三頭筋の収縮を出現させる
④足関節が底屈し、上方へのパワーを得る
です。
ポイントは伸張反射を利用するということですね。
これはかなりきついですが、下腿三頭筋の負荷としてはかなり効きます。
このトレーニングに、今回新たに得た知識の“ドローインしながら行う”というエッセンスを加えるとより効果的なのかもしれませんね。
そうすることで、体幹深部筋が活性化した中で、末梢である下腿~足部のトレーニングになるので、水泳でのスタートやターンの壁蹴りの練習になります。
これを日常生活の中で簡単に取り入れることが出来るとなると、やらない手はないですよね。
ぜひ、参考にしてみてください。
まとめ
階段昇降するときは、ドローインしながら足半分をひっかけて上にビョンと上がりましょう。
では。