2児のパパスイマーの“継続は力なり”!

マスターズ水泳歴12年。短時間で効率良い練習を日々研究。-理学療法士からの視点を踏まえて-

筋膜リリースとは ~エビデンスに基づいた効果とやり方~

どうもパパかっぱです。

 

 

最近はやや専門的な知識を発信しています。

 

前回は正しいフォームローラーの使い方について書きました↓↓

www.papakappa-swim.com

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筋膜リリースって言葉、最近流行ってますよね。

 

世の中に出回っている筋膜リリースのほとんどは勘違いして使われています。

 

前回も少し書きましたが、もっと詳しく勉強してみましょう。

 

 

 

 

 

 

筋膜リリースとは

 

 

 

 

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筋膜リリースとは、筋膜の複合体に対して持続的かつ穏やかな圧と伸張(ストレッチ)を施すことによって、筋膜の制限を解除し、長さの最適化,痛みの軽減,機能の向上を目的として行われる徒手療法の1種。

 

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筋膜とは、皮下から骨格筋・臓器などあらゆる組織までを結合し、包括し、分割する“鞘(さや)”または“結合組織”の集合体である。

それぞれの組織をつなぎ合わせる”接着剤”の役割をするものが必要なわけです。その接着剤の役割をするのが筋膜、もといFasciaなんです!

 

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筋膜は主にコラーゲンとエラスチン、あとヒアルロン酸でできて、残りのほとんどは水分で構成されています。

なので、比較的弾力があって水々しく、毛糸の繊維みたいに伸び縮みすることが可能な組織です。

筋膜は網目状で3Dな構造をしていて、運動や体が動いたときに組織と組織の間を滑る(滑走する)ように動きます。

詰まるところ、筋膜は非常に流動的な組織だということです。

ただ、流動的なだけではなく、筋膜には形状記憶という性質があって、滑走してから元あった場所に戻ってくることができます。

腕がスライムのように、伸ばされたらそのまま伸びっぱなしじゃ大変ですよね(笑)

筋膜があることで、私たちの体は人からパンチをくらっても、顔面が凹んだりしないですむというわけです(骨折したら別ですがw)。

 

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大きく3つの役割があります。

①姿勢の維持

筋膜は関節を越えて連続するネットワークを構成し、その張力によって姿勢を保持する。

 

②力の伝達

筋が周囲に存在する結合組織や膜などの物理的な結合により、筋張力が自身の腱以外に伝達され、発揮される腱張力に影響を与える。

 


③感覚のフィードバック

筋膜ネットワークには赤筋の10倍高い感覚受容器が存在する。

 

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筋膜は、長時間悪い姿勢をとっていたり間違った運動パターンを繰り返すことで機能異常が起こると言われています。

機能異常とは具体的にどういうものかというと、

・柔軟性(関節可動域)の低下
・筋肉の出力の低下
・痛みの発症(肩こりや腰痛など)

 

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現代の科学で考えられている要因は大きく2つあります。

①力学的影響

皮膚の上からフォームローラーや物を押し当てることによって、一時的にその表面にある組織を虚血(血管や組織の流れを押さえる)させます。

そうすると、圧から解放された時に血液や間質液(組織と組織の間にある液、リンパとも言われる)がそこにドッと流れ込んでくるため、その箇所の組織に失われた潤いが戻ってくるというわけです。

筋膜は、先ほど言ったように異常をきたすと水分量が減って組織がドロドロになります。

なので、筋膜リリースをすることによって、潤いが失われた筋膜に再び潤いが取り戻されるような現象が起きます。

その結果として筋膜の滑りが良くなるから、体が動きやすくなると考えられます。

筋膜の滑りが良くなれば、それに包まれている筋肉や骨の可動域も増えるので、結果として柔軟性が上がったり、筋肉の出力が上がるといったことが起きると考えられます。

 


②神経生理学的影響

 

固有感覚受容器が刺激を受けることで、痛みをはじめとした感覚に対する”閾値”が変化して、前よりも多くの刺激(ストレッチ感や痛み)を受け入れられるようになる。

 

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より効果的なのかをご紹介したいと思います!

・じっくり時間をかけてやる(少なくとも30~90秒以上の機械的な刺激が必要)
・自分が気持ちいいと思う強さで行う
・ストレッチや振動と組み合わせる
・自分に合ったやり方を選ぶ

 

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●筋膜リリースとは、圧や振動, ストレッチによって異常をきたした筋膜を解放し、元の状態に戻すことを目的とした手技またはツールを使用したメソッドである。

●筋膜は一枚シートではなく、網目状の3D構造をしていて、筋肉だけでなく血管や臓器を包みながら全身を覆っている組織(Fascia)である。

●筋膜リリースの効果は柔軟性の向上・痛みの改善・動脈硬化の予防や改善などが言われている。

●筋膜リリースのやり方は色々あるので、自分に合った正しいやり方で行うのが良い。

 

 

 

 

私なりのポイントは

 

 

●筋膜リリースとは、長さの最適化、痛みの軽減、機能の向上を目的として行われる

 

●筋膜とは、皮下から骨格筋・臓器などあらゆる組織までを結合し、包括し、分割する“鞘(さや)”または“結合組織”の集合体

 

●筋膜は主にコラーゲンとエラスチン、あとヒアルロン酸でできて、残りのほとんどは水分で構成されている。

 →伸び縮みすることが可能な組織

 ⇒筋膜には形状記憶という性質があり、滑走してから元あった場所に戻ってくることが可能


●筋膜の3つの役割

①姿勢の維持

②力の伝達

③感覚のフィードバック

 


●筋膜の機能異常によっておこり得るもの

・柔軟性(関節可動域)の低下
・筋肉の出力の低下
・痛みの発症(肩こりや腰痛など)

 

●フォームローラーや物を押し当てることによって、一時的にその表面にある組織を虚血させる

 →圧から解放された時に血液や間質液がそこにドッと流れ込んでくる

 →その箇所の組織に失われた潤いが戻ってくる

 ⇒筋膜の滑りが良くなり、体が動きやすくなる

 ⇒柔軟性向上や筋出力向上につながる

 

●筋膜の固有感覚受容器が刺激を受ける

 →痛みをはじめとした感覚に対する”閾値”が変化

 ⇒前よりも多くの刺激を受け入れられる

 

 

 

 

 

長さの最適化、痛みの軽減、機能の向上が目的

 

とても分かりやすく書いてある記事でした。

 

巷で容易に流れている筋膜リリースとは一味違いますね。

 

ここまで理解している人がようやく筋膜リリースを治療主義として行っていいと思うんですよね。

 

 

まずは筋膜リリースの目的を明確にしましょう。

 

・長さの最適化

 

・痛みの軽減

 

・機能の向上

 

です。

 

筋膜とは広義の意味で『結合組織の集合体』です。

 

大事なポイントは、筋膜は伸び縮みすることが可能な組織であり、形状記憶という性質があることです。

 

形状記憶があることから、伸ばすことで柔軟性改善につながるわけですね。

 

ゴムみたいに必ず元の張力に戻ってしまったら、筋肉を伸ばす意味がないですからね。

 

筋膜のほつれがあると、結合組織をとして、他の部位にまで悪影響があるということです。

 

ではフォームローラーの使用方法としては、心地いい刺激を加えることで、一時的にその表面にある組織を虚血させ、その後に血液や間質液がそこにドッと流れ込んでくることで筋膜の滑りが良くなり、運動もしやすくなるということですね。

 

柔軟性だけでなく、筋出力も向上するので、メリットとしては大きいですよね。

 

以前も書きましたが、固有感覚受容器にアプローチしている意識を持った方が良いですね。

 

筋膜をリリース?しようとしてゴリゴリ押し付けるのだけはやめましょう。

 

1つの部位を30~90秒程度、じっくりと心地よい刺激で行うように意識しましょう。

 

ぜひ仲間にも教えてあげてください。

 

 

まとめ

 

 

筋膜リリースの正しいイメージを持って、機能向上につなげよう

 

 

では。