どうもパパかっぱです。
先日家族でプールに行き、子供たちと嫁さんは初泳ぎでした。
娘はサンタさんに競泳用の水着をもらったので、喜んで試してました。
今年も家族で水泳大会に出場し、ぜひみなベストを出したいと思います。
さて、今回は久々に筋トレに関する論文でお勉強です。
筋力トレーニング条件の違いが運動直後に生じる筋腫脹に及ぼす影響
【はじめに,目的】
筋力トレーニング直後に生じる一過性の筋の腫脹は,代謝物蓄積や組織間液の増加により生じ,筋肥大を誘導する要因と考えられている。しかし筋肥大を起こすために必要な筋腫脹の程度について検討した報告は見当たらない。長期介入研究によって実際に筋肥大効果が得られたトレーニング条件と筋肥大効果が得られなかったトレーニング条件を用いて,トレーニング直後の筋腫脹を比較し,その程度に違いがあれば,一過性の筋腫脹を観察することが長期介入時の筋肥大効果を予測する目安になるのではないかと考えた。そこで本研究の目的は,トレーニング条件の違いがトレーニング直後に生じる筋腫脹の大きさと持続時間に及ぼす影響について明らかにすることによって,筋肥大に必要な筋腫脹の程度についての目安を検討することである。
【方法】
対象は健常若年男性11名(年齢23±0.9歳)とした。多用途筋機能評価運動装置(BIODEX社製)を用いて,50%1RMの強度で低速度運動(求心相3秒,保持1秒,遠心相3秒)を8回3セット行う条件(50S)と通常速度運動(求心相1秒,遠心相1秒)を3セット行う条件(50N),80%1RMの高強度での通常速度運動を3セット行う条件(80N)と疲労困憊まで行う条件(80F)の4条件での膝伸展筋力トレーニングを3日以上の間隔をあけてランダムに実施した。なお,この4条件のうち,50N条件での長期介入では筋肥大が生じないが,その他の3条件では長期介入によって筋肥大効果が得られることが先行研究によって示されている。筋腫脹の指標として,超音波診断装置を用いて大腿直筋の筋厚を測定した。測定時期は運動前,運動直後,運動5分後,10分後,20分後,30分後(pre,post,5min,10min,20min,30min)とした。統計解析は測定時期とトレーニング条件の2要因における反復測定二元配置分散分析,事後検定として多重比較検定を行った。また,運動前に対する筋厚の増加率を算出し,多重比較検定を用いてトレーニング条件間で筋厚増加率を比較した。
【結果】
二元配置分散分析の結果,時期とトレーニング条件の主効果および交互作用を認めた。多重比較の結果,50N条件における筋厚はpreよりもpost,5min,10minで有意に高値を示し,50Sと80Nではさらに20minまで,80Fでは30minまで有意な筋厚の増加が認められた。筋厚増加率の多重比較の結果,post,5minにおいて50Nは他3条件よりも有意に低値を示し(post;50N=8.3±3.6%,50S=14.7±4.7%,80N=15.7±4.9%,80F=20.5±6.6%。5min;50N=6.2±3.5%,50S=12.1±5.2%,80N=12.3±4.2%,80F=18.2±6.8%),また10min以降は80Fのみが50Nよりも有意に高値を示した。
【結論】
長期介入時に筋肥大が生じないトレーニングでも一過性の筋の腫脹は生じるが,長期介入時に筋肥大が生じたトレーニングでは,運動直後の筋厚の増加が20分以上持続し,またその増加率は運動直後において15%程度,運動5分後で12%程度であった。
私なりのポイントは
●筋力トレーニング直後に生じる一過性の筋の腫脹
→代謝物蓄積や組織間液の増加により生じ筋肥大を誘導する要因
→一過性の筋腫脹を観察することが長期介入時の筋肥大効果を予測する目安になるのではないか
⇒筋肥大に必要な筋腫脹の程度についての目安を検討
●長期介入時に筋肥大が生じないトレーニングでも一過性の筋の腫脹は生じる
●長期介入時に筋肥大が生じたトレーニング
→運動直後の筋厚の増加が20分以上持続し、またその増加率は運動直後において15%程度、運動5分後で12%程度であった。
運動直後はどちらも筋腫脹は生じる
筋トレって究極の自己満足ですよね。
あんだけきついことをヒーヒー言いながらやるって冷静に考えたら意味わかんないですもんね。
その中でトレーニーの楽しみは、筋トレ直後のパンプアップです。
以前も書きましたが、そもそもパンプアップとは↓↓
●パンプアップとは
→負荷により乳酸やカリウムイオンが筋肉内に溜まる
→筋肉内に水をひきこむ
→筋肉が大きくなり、血管を圧迫し、血流が滞る
⇒一時的に太くなる
という原理です。
今回の論文では『筋腫脹』という言葉で表してました。
代謝物蓄積や組織間液の増加により生じ、一過性の筋肥大を誘導します。
このトレーニング直後の筋がでかくなった姿を、自分で鏡で見て満足するってのがトレーニーの醍醐味です。
もう変態ですよね。
この一過性の筋肥大と、長期的な筋肥大との関連を示したのが今回の論文です。
結論、運動直後の筋厚の増加が20分以上持続し、またその増加率は運動直後において15%程度、運動5分後で12%程度であれば、長期介入時に筋肥大が生じたトレーニングになりうるってことです。
簡単に言うと、高負荷のトレーニングであれば一過性の筋腫脹に収まらず、長期的に筋肥大も生じます。
逆に、低負荷でも一過性の筋肥大は筋腫脹によって起きますが、長期的な筋肥大は起きにくいんじゃないか、ということですね。
これは勉強になりますね。
ただ、問題は「運動直後の筋厚の増加が20分以上持続し、またその増加率は運動直後において15%程度、運動5分後で12%程度」かどうかを簡便に測るのがとても難しいってことですね。
まぁ筋トレ後20分以上筋肉がでかくなってれば、長期的に筋肥大につながるトレーニングが出来たくらいの目安で良いんじゃないでしょうかね。
話はやや逸れますが、我々理学療法士の学生実習の検査で四肢の周径を測る項目があります。
何も考えず、当たり前のように周径を測りますが、あれってほぼ意味ないと思うんですよね。
そもそも筋肥大なんて早くても約6週からしか起きないのに、実習期間内で太くなるわけないんですよね。
しかも、高齢者へのトレーニングなんて筋肥大目的ではなく、運動単位の動員を目的にするはずなので周径なんて変わらないんですよね。
変わってるとしたら、バイアスか筋トレ直後の筋腫脹です。
なので、もし計測するとしたら同じトレーニング後の同じタイミングでやらないと意味ないんですよ。
ただ、指導者も学生も深く考えずに行ってるので、慣習として無駄な時間つかってるんですよね。
知識ないって罪ですからね。
勉強は一生続きます。
まとめ
筋トレ後のマッチョタイムを楽しみつつ、長期的な筋肥大を目指そう。
では。