2児のパパスイマーの“継続は力なり”!

マスターズ水泳歴12年。短時間で効率良い練習を日々研究。-理学療法士からの視点を踏まえて-

【論文考察】非荷重位での股関節外旋・内旋角度と荷重位での骨盤傾斜角の関係性

どうもパパかっぱです。

 

 

私はブログ開設以来、ずっとドルフィンキックは股関節内旋が重要だと言ってきました。

 

その思いは今も変わりありません。

 

www.papakappa-swim.com

www.papakappa-swim.com

www.papakappa-swim.com

www.papakappa-swim.com

 

 

股関節内外旋と骨盤傾斜について理解を深めていきましょう。

 

 

 

 

非荷重位での股関節外旋・内旋角度と荷重位での骨盤傾斜角の関係性

 

 

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2016/0/2016_0584/_pdf/-char/ja

 

【はじめに,目的】
石井らによると,骨盤と下肢との間で 3 軸運動が組み合わさった規則性のある運動が波及する背景には,下肢の回旋運動が深く関わっているとされている。荷重位において骨盤から下肢へ波及する下行性運動連鎖では,骨盤が後傾すると伸展・外転に加え,骨頭は臼蓋の関節面に押し出されるように前方へ変位し,大腿骨頚部のレバーアームが大腿を外旋させる。このように下行性運動連鎖は骨盤から足部に向かって生じる運動連鎖を指している。同様に非荷重位においても運動連鎖が多数報告されており,臨床上,股関節機能を用いた骨盤帯の評価が応用されている。そこで今回,非荷重位での股関節機能と荷重位の骨盤傾斜角の関係について検証した。

【方法】
対象は上下肢・体幹機能・脚長差に問題のない男女 30 名(男性 15 名,女性 15 名:身長 164.04±9.95cm,体重 57.393±13.3kg,年齢 24.867±2.33 歳)を対象とした。股関節外内旋角度の測定は,日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会の定めた関節可動域測定法を用い,股関節外内旋を自動・他動運動で左右測定を行った。骨盤の前後傾には X 線での前額断での骨盤腔を利用,骨盤腔の計測には,土井口らの X 線学的測定法(骨盤腔の縦径/横径=L/T)を用いた。また,骨盤傾斜角には近似式(男性=67×L/T+55.7,女性=69×L/T+61.6)を用いた。1 つの画像につき 3 回ずつ測定した。検者内信頼性として,Shroutらの級内相関係数 ICC(1,1)を求め,各回の検者間信頼性として ICC(2,8)をそれぞれ求めた。統計処理は SPSS を用い,左右股関節内外旋角度(自動・他動)と骨盤傾斜角の関係に Pearson の相関係数を用いた。有意水準は 5% 未満とした。結果は平均±標準偏差で表記した。

【結果】
右股関節自動内旋可動域と骨盤傾斜角に正の相関を認めた(r=0.412,p=0.024)。左股関節自動内旋可動域と骨盤傾斜角に正の相関を認めた(r=0.428,p=0.018)。左右股関節他動内旋可動域と骨盤傾斜角には相関を認めなかった。左右股関節自動・他動外旋可動域と骨盤傾斜角には相関を認めなかった。

【結論】
非荷重時での股関節外旋の自動・他動運動では,骨盤傾斜角と相関を認めなかったことより,骨盤帯への影響が少ないと考える。一方,非荷重時の股関節自動内旋と骨盤傾斜角に相関を認めたことより,股関節内旋における努力性筋収縮は,骨盤帯に影響を与えることが示唆され,さらに荷重時の骨盤傾斜角にも影響が及ぶことが示された。今回の研究では骨盤腔と骨盤傾斜角に対象に行ったが,骨盤の回旋については行っていないため,骨盤の左右差を出すためにも今後の課題となる。

 

 

 

私なりのポイントは

 

●荷重位において骨盤から下肢へ波及する下行性運動連鎖

 →骨盤が後傾すると伸展・外転に加え、骨頭は臼蓋の関節面に押し出されるように前方へ変位し、大腿骨頚部のレバーアームが大腿を外旋させる。

 

●今回、非荷重位での股関節機能と荷重位の骨盤傾斜角の関係について検証

 

●非荷重時での股関節外旋の自動・他動運動では、骨盤傾斜角と相関を認めなかった

 →骨盤帯への影響が少ない

 

●非荷重時の股関節自動内旋と骨盤傾斜角に相関を認めた

 →股関節内旋における努力性筋収縮は、骨盤帯に影響を与えることが示唆され

 ⇒さらに荷重時の骨盤傾斜角にも影響が及ぶことが示唆

 

 

 

股関節内旋と骨盤の傾斜角に影響

 

運動連鎖って言葉はあまり聞きなじみないかもしれません。

 

ヒトの身体って基本的にはどこかが動くと近接した関節に影響を及ぼします。

 

特に荷重位など閉鎖的な関節運動のときにはその影響が顕著に表れます。

 

今回の論文では、非荷重位での股関節外旋・内旋角度と骨盤の傾斜について調べたものでした。

 

水泳って唯一?非荷重位で推進しなければいけないスポーツなんですよね。

 

かなり特殊ですよね。

 

開放運動連鎖(OKC:open kinetic chain)といいます。

 

これは「連動する関節のうち、遠位部の関節が自由に動くことができる場合の運動」と定義されています。

 

簡単にいえばカラダの末端部分(足や手)が固定されていないものをいいます。

 

そんなオープンな運動でも『股関節内旋』と『骨盤傾斜角』には相関があったようです。

 

水泳で考えてみると、私はドルフィンキックの打ち始めは股関節内旋からスタートしたいと思っています。

 

その股関節内旋が出来ない人がいたときに、もちろん股関節自体に問題があるかもしれませんが、もしかしたら骨盤の動きが悪い為に目的とした運動が出来ない可能性も頭に入れておいた方が良いと思います。

 

そのために専門職の人に診てもらい、評価をしてもらう必要があると考えています。

 

大体直接的な原因より、間接的な原因のほうが多かったりしますからね。

 

ちなみに、外旋と骨盤帯には相関がなかったようなので、平泳ぎのキックはドルフィンほど股関節と骨盤の関係性に神経質にならなくてもいいの・・・かも?しれませんね。

 

 

この論文自体水泳と全く関係ないもので、勝手に私なりの解釈で水泳に結び付けているので合っているかどうかは分かりません。

 

少しでもご参考になれば。

 

 

 

 

 

まとめ

 

ドルフィンキックの股関節内旋は骨盤のことも考えなければいけませんね。

 

では。