どうもパパかっぱです。
まとめシリーズ第二弾のバタフライです。
バタフライは泳げるけど、もっと楽に・速く泳ぎたいという中級者~上級者向きかもしれません。
私のS1(得意種目)だからか、まとめてみたらかなりの文字数になってしまいました。
のんびりとご覧ください。
では、どうぞ。
バタフライを楽に・速く泳ぐ方法を色々な角度から考えてみましょう。
- バタフライを楽に・速く泳ぐ方法を色々な角度から考えてみましょう。
- ドルフィンキックを骨盤の前後傾で打つ方法
- 肩関節のゼロポジションの観点からバタフライの入水を考える
- バタフライで大事な三角筋後部の鍛え方
- バタフライのルーツを知ろう
- バタフライの特徴 ~上半身に着目。主動作筋はどこか~
- バタフライの特徴 ~下半身に着目。主動作筋はどこか。鍛え方も紹介~
- 広背筋を鍛えてバタフライに活用
- バタフライの呼吸回数は何回に1回がいいの??
- 肩伸展と肘屈曲の組み合わせの利点をバタフライに活かす
- フィンを使用し、ドルフィンキックで蹴り上げる練習
- バタフライの呼吸 ~顔は下に向けたまま?顔を水面と平行に?~
- イルカとフェスプス選手に学ぶドルフィンキックの打ち方
- 水を捉える際に泡を掴まないように気を付けましょう
ドルフィンキックを骨盤の前後傾で打つ方法
【動作順序】
骨盤後傾
骨盤を前に出す
ダウンキック開始
ダウンキック中間点に来たら骨盤前傾
骨盤上がる
アップキック
「なるべく大腿四頭筋の活動ではなく、骨盤の前後傾の動きから連動させて勝手にキックするイメージ」
実際に練習してみました。
骨盤前後傾で泳ぐと腸腰筋の伸張反射を利用しながら泳げるので、下肢(特に大腿四頭筋)の筋力の消費はたしかに少ないような気がしました。
もしこれが可能になれば、前半になるべく下肢の筋力を使わず泳ぎ、後半で筋力をふりしぼってスパートかけれるようなレースプランも考慮できるようになるため、泳ぎに幅が出るかもしれませんね。
いきなり水中でやろうとしても難しいので、骨盤の動きを陸上でまず動かせるか試してみると良いと思います。
★骨盤の前傾、後傾の動きを使いながらドルフィンキックを打てるようにしましょう。
下肢の筋疲労をコントロールして、レースプランに幅を持たせましょう★
肩関節のゼロポジションの観点からバタフライの入水を考える
肩甲棘(けんこうきょく。肩甲骨の後ろの棒状のでっぱり)と上腕骨が、上画像のようにほぼ一直線上になる肢位がゼロポジションです。
野球の投球、テニスのサーブ、バレーボールのスパイクでも、一流選手はこの肩甲骨と上腕骨の位置関係“ゼロポジション”で投げ、打ちます。
なぜこのポジションが重要なのか、その理由は主に2つです。
(ほんとは他にもいくつかありますが、ここでは2つに絞ります。)
1,インナーマッスルの張力が一定となり、肩関節が安定する。
2,アウターマッスルのねじれが解け、最大パワーを発揮できる。
ゼロポジションの利点としては、インナーマッスル(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の張力が均等になり、肩が安定するんですね。
よって、強い力がアウターマッスルにより発揮できます。
インナーで安定をつくっておけないとアウターで強い力は発揮できないんですよね。
昨今流行のコアトレーニングなどはそういう原理です。
ゼロポジションの姿勢をみると、ストリームラインとは少し違います。
ストリームラインは、もっと腕を真上にあげて頭を挟み込みますよね。
つまり、ストリームラインよりやや肩を広げた姿勢のほうがゼロポジションに近いので、強い力はでる・・・のかもしれません。
実際にマイケル・フェルプス選手のバタフライをみると「結構肩ひらいたまま入水するんだなー」という印象を受けます。
ゼロポジションの観点からいうと、効率良いかもしれませんね。
入水の時には腕を閉じた方が良いって小さい頃習ったような記憶がありますけど、実際は違うかもしれませんね。
少なくとも解剖学的にいうとフェスプス選手のようにややひらいてたほうが強い力は発揮できる・・・かもしれません。
けど、この肩の開き具合で入水できるためには、フェルプス選手のような尋常じゃない肩と胸椎の可動性があってこそですけどね。
★ゼロポジションを意識して、肩のインナーマッスルが安定する肢位を見つけよう。入水の際には肩は閉じすぎない方が良いかもしれません。★
バタフライで大事な三角筋後部の鍛え方
私の実体験ですが、三角筋の筋トレの次の日の筋肉痛がひどすぎて、クロールとバタフライが泳げなかったことがあります。
この経験から、クロールとバタフライでは三角筋(特に後部)が大事なんじゃないかなー、と思っています。
【三角筋の起始・停止】
(起始)
前部 鎖骨の外側端1/3に付着。
中部 肩峰に付着。
後部 肩甲棘下縁に付着。
(停止)
前部、中部、下部とも上腕骨の三角筋粗面に付着。
【三角筋の主な働き】
前部 肩関節を屈曲する。肩関節を内旋する。
中部 肩関節を外転する。
後部 肩関節を外旋する。肩関節を伸展する。
【三角筋の神経支配】
腋窩神経(C5~C7)
【三角筋に関する一口メモ】
三角筋は、棘上筋と共に外転筋です。その付着は、僧帽筋の付着位置とほぼ一致し、僧帽筋が肩甲骨を固定している時に三角筋は、上腕を外転することが出来ます。この筋肉は、前部と中部と後部に分けることが出来ますが、それぞれに働きがあります。また、肩関節をすっぽり覆っており、厚い筋肉は、肩関節を保護する役目も果たしています。肩の外傷で、三角筋挫傷というのがあります。ぶつけたり、転んだりして、三角筋自体に障害がでます。触診で痛みがあれば診断されますが、後の後遺症として、肩関節の痛み(ある場合は五十肩かもしれない)が起こる事もあります。
三角筋後部の鍛え方はこの動画を参考にして私はトレーニングしています。
めちゃくちゃ効きますよ。
ぜひ試してみてください。
★三角筋後部を鍛えて、バタフライの推進力をつくりだすパワーを付けよう★
バタフライのルーツを知ろう
驚きの水泳「自由形」の歴史、最初はみんな平泳ぎ!人類最速泳法は、ドルフィンクロール! | チコちゃんに叱られる!
↑水泳の歴史が詳しく書いてました。
なんと、バタフライは『平泳ぎの派生』だったみたいです。
平泳ぎのルールは『うつぶせで左右の手足の動きが対称』だったみたいで、これってバタフライもそうですよね。
1950年前後のオリンピックの平泳ぎの優勝者は、このルールの盲点をついてバタフライで優勝していたみたいです。
それはさすがにまずいとのことで、“平泳ぎ”から“バタフライ”が独立したと。
そういうことだったのかい。君のこと何も知らなかったよ、Fly君。
★彼を知り己を知れば百戦殆うからず
「向かう相手の実情と自分の実力を正しく知ることで、負けない戦い方ができる」★
バタフライの特徴 ~上半身に着目。主動作筋はどこか~
【クロールと共通部分】
● バタフライとクロールは、水中でほぼ同じプルパターンをしており、動員される筋群もほとんど同じである。
● 推進局面全体を通して主な原動力として機能する筋は大胸筋や広背筋であり、手関節の屈筋群も手首をわずかに曲げた状態を保つために活動する。
● 上腕二頭筋や上腕筋はキャッチの部分で肘がのばされた状態からプルの中間部分で40°くらいまで曲げられる動きを作っている。
● 肩甲骨を安定させる筋群:スタビライザー(小胸筋、菱形筋、肩甲挙筋、僧帽筋中部下部、前鋸筋)は、腕による推進力を生むために肩甲骨をしっかり固定する機能を果たし、さらにリカバリー局面において腕を前に持ってくるのを助ける役目を果たすのに非常に重要。
【バタフライ独自】
● 肘関節の力強い伸展はプルの最後の部分で強調され、結果として上腕三頭筋の活動が大きく必要となる。
● 胴体のうねり動作が起こって、その動作がリカバリー局面において水面上に上体を持ち上げることにつながっている。
● 体幹のスタビライザー(腹横筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、脊柱起立筋)は、上肢と下肢の動きをリンクすることや、リカバリー中に上体や腕を水面上に上げるためのうねり動作を作り出すために重要な役割を果たしている。
● うねり動作は、背中の下部から多重に走っている傍脊柱筋群の収縮から始める。この筋収縮はリカバリー中、腕が水面上を動いているときに背中のアーチをもたらす。
●ストロークによる推進局面を始めるために手が水中にエントリーされた後、上肢のストローク準備のためすぐに腹筋群の収縮が生じる。
(スイミング解剖学より引用)
バタフライ独自の活動筋として、上腕三頭筋が挙げられていましたね。
私の感覚としても、三角筋後部と上腕三頭筋が特に大事な実感は得ていました。
上腕三頭筋を鍛えるのは結構難しいんですけど、地道にトレーニングしていきましょう。
また、腹筋群の働きも大事ですね。
上肢と下肢をリンクさせるための中心部分です。
上半身の安定をつくるのためにも、腹筋群のトレーニングも怠らないようにしましょう。
★上腕三頭筋を鍛えて、力強いプルを身につけましょう★
バタフライの特徴 ~下半身に着目。主動作筋はどこか。鍛え方も紹介~
【バタフライのキック動作の特徴】
●キック動作を生じるのに動員される筋群は、腕と同様、クロールのキックとほとんど同じである。バタフライは、両足一緒に動かす。
●推進局面のダウンビートは、腸腰筋、大腿直筋の収縮で始まり、股関節の屈筋群として機能する。
●大腿直筋によって膝関節の伸展で始まり、大腿四頭筋群によってさらにより力強い伸展を助ける。
●キックのリカバリー局面(アップビート)において、臀部の筋群の収縮が起こる。同時にハムストリングスの収縮が股関節の伸展のために生じる。
●足は、水から受ける抵抗と足を底屈させる働きを持つ腓腹筋やヒラメ筋の活動とが合わさり、底屈した状態が維持される。
●ドルフィンキックは、小さな筋よりも大きな筋が動員される。股関節や膝関節で生じているものの、体幹のスタビライザーや傍脊柱筋群の活動によって生じた体幹のうねり動作と結びついている。
リンク
足を振り下ろす際には、腸腰筋と大腿直筋がキーマッスルになるみたいですね。
腸腰筋は思っていた通りでしたが、たしかに大腿直筋も大事ですね。
【大腿直筋の起始・停止】
(起始)
下前腸骨棘、寛骨臼上縁に付着。
(停止)
膝蓋骨を経て脛骨粗面に付着。
【大腿直筋の主な働き】
膝関節に於ける下腿の伸展、股関節においての大腿の屈曲。
【大腿直筋の神経支配】
大腿神経(L2~L4)
【大腿直筋に関する一口メモ】
大腿直筋は、大腿四頭筋の四頭の一つです。基本的には、下腿の伸展が主な仕事ですが、大腿直筋のみ、付着が骨盤になります。したがって、股関節にて大腿を屈曲する作用もあります。股関節屈曲筋は、この大腿直筋と腸腰筋のみです。仮に、股関節を屈曲する自動運動にて障害が出た場合、このどちらかの筋肉で異常が生じているかを鑑別する必要があります。調べる方法は、仰向けに寝て、調べる側と反対側の股関節を屈曲させます。この時、反対側の膝が床から持ち上がるようですと、これらの屈曲筋の過緊張が疑われます。さらに、調べる側と反対側の下腿をベッドからはみ出す様に寝て、同じテストを繰り返してみます。この時、膝が伸展するようですと、大腿直筋の異常緊張や他の異常を考慮する必要があります。
大腿直筋は二関節筋です。
つまり、骨盤から膝についているので、骨盤~膝の動きに関与します。
ちなみに、腸腰筋は股関節に働くので、膝の伸展の作用はありません。
股関節の屈曲に伴い、膝の伸展を起こすのが大腿直筋なんですね。
よく腸腰筋ばかり着目されますけど、大腿直筋についても少し考えてみると良いかもしれません。
さらに、骨盤(下前腸骨棘)からついているので、骨盤のポジションが大事になってきます。
キックを打つ時に、
●骨盤をすばやく後傾させる
→大腿直筋の長さをつくりだし
→伸張反射を利用して一気に筋肉を収縮させる
⇒股関節が屈曲し、膝関節が伸展する
という私なりの仮説を立ててみました。
つまり、足先から蹴るのではなくて、骨盤を後傾させることでキックをうつイメージですね。
実際に私が泳いでる感覚も結構これに近いような感じはします。
【ドルフィンキックの打ち方の見本動画】
この動画の2”40~あたりのフェルプスのドルフィンキックをみると、すごい勉強になります。
ドルフィンってまっすぐ蹴るんじゃないんですよね。
股関節~膝の外旋からの内旋がえげつないです。
ホント鞭みたいになってますね。
ここまでしなやかに打てるから、大きな抵抗なく泳力が生まれるんでしょうね。
【陸上での鍛え方】
この動画の4”00~からのトレーニング、おススメです。
膝を伸ばすときに、大腿~膝を内側にひねるようにしながら(内旋)伸ばしていきます。
膝の内側の筋肉(内側広筋)を効かせるイメージです。
内側広筋は膝の最終伸展域で働きます(働かないっていう見解もあるみたいですが…)。
この股関節~膝関節を内旋する感覚を覚えたまま、水中でドルフィンキックすると、かなりいい感じに水を蹴れる感触を得れます。
私の感覚として、うまく蹴れた時には、すねの内側から下方向に水がスーッと抜けていく感じがします。
★ドルフィンキックでどの筋肉が使われているか考えてみましょう。
マイケルフェルプス選手のドルフィンを頭に焼き付けて、大腿~膝の内旋のトレーニングをしましょう。★
広背筋を鍛えてバタフライに活用
今回、強い運動強度において呼気に活動するという広背筋(以下LD)に着目し、健常人を対象としてLDの筋力・筋持久力の増加が換気に与える影響について検討し、若干の知見を得たので報告する。
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MVVが増加した理由として、呼気時に腹直筋とともに筋力と筋持久力が増加(90%増)した広背筋との同時収縮による活動が影響したと考えられる。これにより筋疲労による経時的な腹腔内圧の減少が抑えられ、横隔膜の挙上や肋骨の引き下げを補助し、呼気量を増すよう作用したと推察される。
したがって広背筋の筋持久力の増加は、努力性の最大換気時に呼気補助筋として有効に作用していると思われる。
呼吸器疾患の症例を対象として考えた場合、呼吸不全の原因として胸郭のポンプ機能不全があげられるが、広背筋単独の筋持久力の増加は低換気を改善させる可能性が示唆される。
この論文の大事な部分を簡単にまとめると、
●呼気時には腹直筋と広背筋の同時収縮による活動が影響する
●筋疲労による経時的な腹腔内圧の減少が抑えらる
●横隔膜の挙上や肋骨の引き下げを補助し、呼気量を増すよう作用
●広背筋の筋持久力の増加は、努力性の最大換気時に呼気補助筋として有効に作用
です。
広背筋も呼気補助筋として働くんですね。
あまり、そういう視点で広背筋を考えたことなかったので、とても勉強になりました。
腹直筋との同時収縮ってとこもポイントですね。
同時収縮することで、体幹中枢部が安定するため、胸郭の動きにも影響がでてくるのかなと考えました。
水泳に活かせる知識としては、
『横隔膜の挙上や肋骨の引き下げを補助し、呼気量を増す』
ってところですかね。
●空気をなるべく腹部の方へ溜める、さらに肋骨を下方回旋(下方にねじれる)させる
→下部体幹が浮きやすくなる
⇒きれいなストリームラインができる
という私の仮説です。
肋間筋や腹筋群のことを考えていたのですが、広背筋もここに関与してくるってのは、目からウロコですね。
広背筋って水泳でとても大事な筋肉だと思います。
大きな推進力を出すキーマッスルといっても過言ではないでしょう。
大きなパワーも生み出しつつ、呼気にも影響するとなると、鍛えない手はないですよね。
★チンニング(懸垂)で広背筋を鍛えよう★
バタフライの呼吸回数は何回に1回がいいの??
“呼吸の回数“という視点だけでみても参考にならなくないですか??
池江選手に至っては50mノーブレ(笑)
真似できません。
萩野選手は100mで毎回呼吸ですし、瀬戸選手は200mでも2回に1回呼吸です。
★タイミング・リズムが崩れない自分の泳ぎに合った、やりやすい呼吸回数を見つけましょう。★
肩伸展と肘屈曲の組み合わせの利点をバタフライに活かす
【多関節筋である上腕二頭筋:肘屈曲を肩の伸展と組み合わせることの生理学的利点】
上腕二頭筋は、多くの関節にまたがって力を生じることのできる多関節筋である。
肩の伸展に肘の屈曲を組み合わせる運動は、上腕二頭筋発生の肘屈曲トルクを生じるのに自然で効果的な方法である。
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重量物を体側に引き上げるような動作の際、上腕二頭筋は肘の屈曲を生じる一方で、同時の肩伸展により引き伸ばされる。その結果、三角筋後部線維の収縮により上腕二頭筋の最終的な短縮は減少する。
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三角筋後部線維は大きな力を要する引っ張り動作では強力な肩伸筋として働く。そのうえ、三角筋後部線維は、肘屈曲運動を通して、上腕二頭筋の最適な収縮速度や長さのコントロールを補助している。
三角筋後部線維は、とくに高度なパワーを要する動作では肘屈筋の大変重要な共同筋である。
(筋骨格系のキネシオロジーより一部抜粋)
上腕二頭筋が単独で収縮するより、三角筋後部と同時に働くことで、収縮速度も速くなるし、上腕二頭筋の長さも保たれつつ収縮できる、ということです。
関節運動としては肩関節の伸展+肘屈曲ですね。
この組み合わせによって、三角筋後部と上腕二頭筋により、強いパワーを発揮できるということです。
●両手の入水後、なるべく肩を伸展(胸椎の伸展も含め)させる
→上腕二頭筋の働きを助ける
→強い肘屈曲が可能になる
→水を強くかける
⇒速く泳げる
という仮説がたてられませんかね。
私が勝手に考えた仮説なので、合ってるかどうかはわかりません。
ちなみに、SSC(ストレッチ・ショートニング・サイクル)の観点から考えても確かに上腕二頭筋は働きやすくなることが分かります。
マスターズ水泳のための筋トレ9 ~伸張反射を利用する~ - 2児のパパスイマーの“継続は力なり”!
●上腕二頭筋(長頭)は肩甲骨関節上結節につく(簡単に言うと肩甲骨につきます)。
→肩を伸展すると、上腕二頭筋は伸ばされる
→筋が伸ばされることで伸張反射が起きる
⇒伸張反射により、上腕二頭筋は収縮(縮む)する
故に、肩が伸展すると上腕二頭筋が働きやすくなる、という原理です。
★手の入水後の肩の伸展を意識することで、強い肘屈曲が可能になり、より多くの水をとらえられるかもしれません。★
フィンを使用し、ドルフィンキックで蹴り上げる練習
●膝から打ってしまい、太ももの前が疲れるのは良くない(抵抗も大きい)
●膝をなるべく伸ばして、小刻みにキックを打つ
●膝を伸ばして蹴る感覚を得るために、フィンを使ってバックキックから練習する
●膝を伸ばして、付け根から蹴ってみる
●お腹(腹筋)と背中(背筋)を使ってキックする感覚を得る
●蹴り込むより、蹴り上げるイメージを持つ
(会話を一部抜粋、編集あり)
蹴り込むより蹴り上げるイメージで練習するというのが参考になりました。
実際、下に蹴ろう蹴ろうと思ってやるとどうしても膝が屈曲してしまうんですよね。
膝を曲げた分だけ蹴れるスペースができる、といったような感じでしょうか。
これってもったいなくて、せっかく下肢なんて骨盤~指先までとても長い部分で水を押せるのに、膝下だけで押すと推進力は起こりにくいですよね。
モーメントとしても短いより長いほうが大きな力が出ます。
なので、股関節、もっというとお腹の部分から足が生えているようなイメージでキックをします。
さらに、蹴り下げるより蹴り上げる(アップキック)をやや強調してキックを打つと、長い脚をキープしつつ打てるのではないでしょうか。
アップキックの際にこそ、膝を曲げないように気を付けましょう。
結果的に膝が曲がる分にはOKです。
脚を長く保つイメージを持つというのも大事かもしれません。
★フィンを使って、小刻みにドルフィンキックを打つ練習をしましょう。
その際、膝を曲げずに、脚を長くしながら蹴り上げるイメージで練習してみましょう。★
バタフライの呼吸 ~顔は下に向けたまま?顔を水面と平行に?~
●呼吸時の顎と水面の差をなるべくなくすこと(水面を擦るイメージ)
●顎が高いと、身体が立ってしまい胸で抵抗を受けやすい
●顎だけ低くても身体が立っていることもあるので要注意
●フラットに低空を泳ぐコツは、下を向いて呼吸する(つむじを前に向けるイメージ)
(会話を一部抜粋、編集あり)
呼吸時に顔を上げる際に身体も起きてしまうくらいであれば、顔を下に向けたまま呼吸した方が抵抗が少なくなる、ということみたいですね。
確かに理屈的には理解できます。
一時、私もこの泳ぎを目指したことがあったんですよ。
実際やってみると結構難しいんですよね。
なんというか、腕を後ろから前に持っていくときに、肩が詰まるような感じがして私には合いませんでした。
今後練習してみます。
●呼吸してすぐに顎を引いてしまうと、肩を痛める可能性がある
●顎の位置を前に出して、顎と水面が平行になることがポイント(顎から滑るようなイメージ)
(会話を一部抜粋、編集あり)
私はどちらかというとこっちの泳ぎに近いかな、と思います。
顎と水面を平行に滑るようにして泳ぐ、というのを参考に泳いでいます。
これを行うことによって、前方への重心移動が起こり、前方への推進力の意識が増すような気がします。
そのためにはキックの力をうまく上半身に伝えることが大事になってきます。
バタフライの呼吸時、顔を下げたまま呼吸するか、顔を上げて呼吸するか、自分に合った泳ぎ方を研究しましょう。
★共通しているのは、水面をこする・すべる、ようにして泳ぐイメージです。★
イルカとフェスプス選手に学ぶドルフィンキックの打ち方
●高速のイルカはキックが小刻み。さらに、身体が1つの塊であることが大きな推進力を生む。
●人間はキックの反動で上半身が波打ってしまう
●水中で上半身を固定できるように、小刻みなキックと体幹を強化する
(会話を一部抜粋、編集あり)
マイケル・フェスプス選手でもやはりイルカを参考にするんですね。
その名の通り『ドルフィンキック』ですもんね。
当たり前っちゃ当たり前ですけど・・・なんか面白いですね。
参考にすべきはキーワードは
●小刻み
●上半身を固定するための体幹
でしょう。
小刻みのキックについては、筑波大学の研究の『バタ足は小刻み』にも通ずるものがありそうですね。ドルフィンとバタ足の違いはありますけど。
どうしても蹴り込むという意識が強くなってしまうと、過剰に骨盤~腰椎のうねりが出現してしまう為、結果的に小刻みと反対の動きをしてしまうような気がします。
蹴り込むというより、素早く蹴り上げるという意識を持つと良いのではないでしょうか。
その際、水を足の裏で蹴るイメージを持つ、つまりヒラメ筋を効かせながら足を若干底屈させることで、うまく蹴りあがるような感覚は私はあります。
難しいのは、上半身を固定するための体幹ですね。
これができるかどうかでタイムはかなり違ってくると思います。
動画の2”00~の映像を見ると、一目瞭然ですね。
松岡修造さんのドルフィンは上半身が安定せず、全身がバラバラにうねってしまっています。
対するフェスプス選手の上半身は全くぶれていません。
修造さんの言葉を借りるとホント「ドカーンと爆発している」ような勢いが目に見えますもんね。
我々セラピストのハンドリングの大原則として『安定』と『運動』というものがあります。
安定している部分があるから、運動が行えるんですね。
それを我々の手で少しだけお手伝いしてあげるのがセラピーです。
水泳も一緒ですね。
水中なので地上よりも安定したポイントを作るのがより難しいです。
そのための体幹です。
水中で自分の身体の筋肉で安定したポイントを無理やり作るんですね。
そのためには、やはり昨今流行の体幹トレーニングですかね。
実は私は最近のいわゆるコアマッスルさえ鍛えとけば体幹が向上するというのは、個人的にちょっと懐疑的というか・・・ホントかな?と思っているところです。
1つだけ言えるのは、プランクとかで1分とかじーっと耐えるトレーニングについて私的にはどうなのかなー??って思いはあります。
そもそも、スポーツの場面であんな静的な場面で体幹筋ばかり発揮する場面ってありますかね。
特に水泳はないと思うんですよね。
なので、私がおススメする体幹トレーニングの原則としては“四肢は動かしながら体幹を安定させる場面を提供する”ということです。
神経学的にも理にかなっていると思います。
四肢の運動を司っている皮質脊髄路の発火の前に、体幹を司っている皮質橋網様体脊髄路が発火するわけですからね。
やはり、四肢の運動と体幹はセットで鍛えないと、タイミングや頻度などが効率的に鍛えられないと思うんですよね。
どんな場面で体幹トレーニングするのも良いのですが、ぜひ四肢の運動と組み合わせるということは頭に入れておくと良いのではないかな、と思います。
★水中でも上半身を固定できるための体幹を鍛え上げ、小刻みなキックでイルカに近づきましょう。★
水を捉える際に泡を掴まないように気を付けましょう
●手の入水時に泡がつくと、空気を押すことになるので推進力はおちる。
●泡がかからないと、しっかりと水を押すことが出来る。
●手を入れた時に力が入っていると、泡がかかりやすい
→力が入っていると、大きい動きになりやすいため
→かき始めだけ力を入れて、後は力を抜く
●手が肩より内側に入ると、泡がかかりやすい
→肩の外側に入水するように気を付ける
(会話を一部抜粋、編集あり)
この“力を抜く”って簡単に言われがちですけど、実は結構難しいことなんですよね。
リハビリで患者さん相手しているとよくわかります。
何が難しいって、力が入っていることに対して無自覚なことが多いんです。
力が抜けていないことに自分で気づくにはフィードバックが必要になります。
コーチや先生から言われるとか、自分で自分の泳ぎをビデオで見るとかですね。
自分が描いていた泳ぎのイメージとかけ離れているときありますからね。
まず気づくこと。
視覚を用いたり、筋緊張を触って確かめることも有効です。
その後、気づいたら意識して(そこに注意を向けて)、スムーズな運動を学習することが必須になります。
もっと深く踏み込むのであれば、なぜそこに力を入れなければいけない状況なのかを考えるといいですね。
どこか弱いところがあるのか?
体幹の不安定性の代償?
姿勢での違い?
疲労感が影響?
等々、ひたすら考えます。
“肩の外側に入水する”についてです。
上にも書きましたけど、フェルプス選手のバタフライみると思っている以上に外側に入水してますもんね。
何度見ても美しいです。
全然泡立っていませんね。
改めて見返してみると肩の入水角度だけじゃなくて、前腕~手の角度にもポイントがありそうですね。
肩が内旋(内側にひねるような動き)と共に、前腕~手首が回外(外に回る動き)していますね。特に手首で顕著です。
回外からの中間位(手の平が下向き)になる動きもスムーズですねー。
回外 → 中間位にすることでより多くの水をつかめているのかもしれません。
このへんも泡を掴まないコツかもしれません。
意識して練習してみましょう。
★自分の手の入水時に力が入っていないか・泡が多く発生していないかを誰かに見てもらいましょう。
肩は内側にいれすぎないようにしましょう。
また、肩関節内旋・前腕~手関節回外してから中間位に戻すことでより多くの水を捉えることができるかもしれません。★
以上です。
すごいボリュームになってしまいましたが、新たな知見があればさらにここに加えていきます。
スイマーの参考になれば。
では。