2児のパパスイマーの“継続は力なり”!

マスターズ水泳歴9年。短時間で効率良い練習を日々研究。-理学療法士からの視点を踏まえて-

【論文考察】体幹トレーニングの流行の背景と効果に関する考察 ~プランク動作について~

どうもパパかっぱです。

 

 

衝撃的な論文を発見しました。

 

みなさんプランク姿勢でトレーニングしますか?

 

プランクは体幹の深部筋に効くと盲目的に思っていませんか?

 

準備はいいですか?

 

真実を知りましょう・・・。

 

 

 

 

 

体幹トレーニングの流行の背景と効果に関する考察

 

 

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptcse/27/1/27_27-003/_pdf/-char/ja

 

 

体幹トレーニングとして,体幹の剛体化を目的としたプランクが行われることが多い。体幹屈曲筋・伸展筋の筋力トレーニングとして活用されることもある。また,腹横筋の活動促通を目的としたドローインもよく行われる。

 

しかし,プランクでは実際には体幹を剛体化させる Bracing も腹圧の上昇もしていない。また,そもそも多くの競技動作では体幹は固定させるよりも,大きく動作して力学的仕事を行っており,これらから考えるとプランクの意義を見出しにくい。

 

ただし,反証データもあるが,プランクの実施による競技パフォーマンスの向上を認める報告もある。そのメカニズムは明確ではないが,選手にとって効果を実感できるのであれば,プランクの実施はプラスとなるかもしれない。

 

また,ドローインには腹横筋の筋活動の促通効果が腰痛患者において認められる。ただし,腹横筋の筋活動レベルは競技動作そのもののほうがドローインよりもはるかに高い。

 

競技動作を十分に行える身体機能を有する競技選手においては,ドローインを行う意義は薄いかもしれない。プランクやドローインの意義には不明確な部分があるが,体幹の機能から考えて,体幹動作の強い筋力と大きな可動性を有することが重要であることはおよそ間違いないであろう。

 

これらの機能改善には,体幹屈曲筋・伸展筋の筋力トレーニングと体幹の可動性獲得の動作トレーニングが有用となるだろう。

 

(一部のみ抜粋)

 

 

 

私なりの論文を通してのまとめ

 

 

●近年は四肢動作以上に体幹に強い注目が集まっている。

 →「体幹が強い」と評するのは体幹に対する過大評価といえる。

 ⇒体幹機能を重視して考えている指導者や選手は少なくない。

 

 

●1990 年代の Hodges らの「立位姿勢において腕・脚を肩関節・股関節から大きく動かす運動課題を与えると,腕・脚の動きに先立って体幹筋群(背筋群・腹筋群)の筋活動が起こる」という研究報告 。

 →「土台部分」の体幹の固定・安定が競技動作や日常の身体動作において重要ではないか,とアメリカで注目されるようになった。

 

●Hodges と Richardsonの報告で「体幹筋群の筋活動の中でも深部に位置する腹横筋がより先行して筋活動を開始する」様子が観察されている。

 →腹部を引き込むドローインは腹横筋を選択的に活動させることで腹横筋動員促通の教育効果を狙って行われる。

 

●プランクは「負荷のかかっている方向に対する筋力発揮で姿勢を保っている」わけである。

 →フロントプランクであれば,重力で体幹が伸展していく力が作用するのに対して,腹筋群による体幹屈曲の力を発揮している。

 →腹筋群,背筋群を共収縮させる Bracing で「どの方向から力を受けても体幹が変形しないように剛性を高めている」という状態ではない。

 ⇒競技動作における体幹の安定性の獲得に寄与するトレーニングになっているとは考えにくい。

 

●プランク系のトレーニングは重力負荷に対する筋力発揮で姿勢を支えている

 →脊柱に対して長いモーメントアームを持つ表層のアウターマッスルが主動となる

 ⇒実際に筋活動レベルをみた研究では(下代と谷本 ),フロントプランクでは腹直筋の筋活動は 28% MVC,腹横筋は 17% MVC,バックプランクでは脊柱起立筋は59%MVC,腹横筋は 12% MVC と深部筋よりも表層筋が主動となっている

 

●プランクでは「腹横筋などで腹圧を上げて体幹を固めることを意識する」とスポーツの現場で言われることが多い。

 →実態としてはプランクで腹圧はほとんど上がらない。

 ⇒腹腔の上の蓋の部分にあたる横隔膜が呼吸で動いているので,呼吸しながら行うプランクでは,腹圧が大きく上がるとは考えにくい。

 ⇒実際に腹圧を測定した研究(下代と谷本 など)では,安静仰臥位での腹圧を 0%,バルサルバ手技での腹圧を 100%とした相対評価値で,フロント,バックなどのいろいろな向きでのプランクでの腹圧は,いずれも 10%(以降% Val. と表記)程度以下である。

 

●プランクの腹圧は,安静立位と同程度であり,ほぼ腹圧は上がらない。

 →対して野球の投球,打撃,サッカーのキック,ジャンプなどを全力で行った場合の腹圧は,瞬間的に 4-60% Val. と大きく上昇する。

 ⇒瞬間的に大きな力を発揮するダイナミックな競技動作で,腹圧が特に大きく高まる。

 

●そもそも多くの競技動作において体幹は剛体化させていない。

 →四肢と同じく動作して大きな力学的仕事を生み出している。

 ⇒多くの競技動作で体幹は四肢の土台として固めるというよりも,強く大きく動いて多くのエネルギーを生み出す部位としての要素が大きい。

 ⇒四肢の運動課題に対して体幹筋群が先行して筋活動を生じることは確認されているが,ここから,体幹の作用として剛体化を図ることだけが重要である,ということにはならないだろう。

 

●安定はすなわち剛体化というわけでもない。

 →体幹を固定・安定させることが各種運動において重要とは必ずしも限らない。

 

 

●プランクは Bracing の要素,腹圧の変化から,体幹の固定に直接的には関係していないようである。

 →そもそも多くの競技動作では体幹は大きく強く動いて力学的仕事を行って動作に貢献している。

 

●プランクが競技にプラスの作用を及ぼす要素が見出しにくい

 →実際に競技パフォーマンスにプラスの結果を及ぼすという報告は多くある。

 ⇒多方向のプランクによる腹筋群,背筋群の筋活動の促通が,競技パフォーマンスでの体幹筋群の活動の活性につながったのかもしれない。

 ⇒プランクの実施が体幹筋群の活動促通や体幹動作に対する「意識づけ」を誘発し,それが動きに影響した可能性もある。

 

●プランクの実施が競技パフォーマンスに影響しないとするレビューもあり(Hibbs ら ),一致した見解は得られてはいない。
 →体幹に対する意識づけにはプラセボ的な意味合いも含まれているかもしれない

 ⇒選手がプランクの実施によって,体幹の軸を意識しやすくなり安定した動きをしやすいと感じるのであれば,そして動きが実際に改善するなら,それも 1 つの効果といえる。

 

●プランクは RT(レジスタンストレーニング) として効果の高い方法とはいいがたい。

 →重力負荷に耐えながら同一姿勢を維持するプランクでは,筋はアイソメトリック収縮をしている。

 ⇒筋肥大を誘発する重要な要素となる正の仕事と負の仕事は,どちらもそれぞれ 0 である。

 

 

●競技動作において腹圧が大きく上がるわけである

 →競技練習そのものが腹横筋の活動を含めた腹圧上昇の有効なトレーニングになっているといえる。

 ⇒ドローイン時の腹圧は 13% val. とほとんど上がらず(谷本未発表データ),腹横筋の筋活動レベルは 15% MVC と低い。対してダイナミックな競技動作では瞬間的に 110-140% MVC 程度に達する(下代と谷本 4)):前述未発表データと同じ被験者)。

 ⇒腹横筋の活動促通の目的が腹圧を高めるためだとするなら,競技動作が腹圧を上げる訓練となっているわけであるから,競技選手においてはドローインを追加して行う必要性は低いかもしれない。

 

 

●体幹の可動域を拡大することは,競技動作での体幹の動作範囲を広げて大きな仕事量の生成につながる。

 →脊柱をよく動かして関節構造の可動性が低下しないよう予防する取り組みが重要。

 

 

 

プランクを練習に取り入れるくらいなら、他の練習をした方が良い

 

 

いやー、こんなにワクワクする論文は久々に読みました。

 

ぜひみなさん原著を読んでみてくださいね。

 

なるべく多く抜粋してまとめたつもりですですけど、この論文は全てを読んだ方が絶対に面白いです。

 

少なくとも私がまとめた上の●については一語一句飛ばさずに読んでください。

 

 

プランク動作してますか?または指導者の方は選手にさせてますか・・・?

 

おそらく多くは、体幹の剛性の向上、または深部筋の賦活を目的に行っていると思います。

 

実際は、『プランクでは体幹を剛体化させる Bracing も腹圧の上昇もしていない』とのことです。

 

ががーーーーーん!!!!!!!!

 

案に巷で流行っているからと言って、選手にやらせてはいけないですね。

 

 

そもそも体幹が流行ったきっかけは1990 年代の

 

『立位姿勢において腕・脚を肩関節・股関節から大きく動かす運動課題を与えると,腕・脚の動きに先立って体幹筋群(背筋群・腹筋群)の筋活動が起こる』

 

『体幹筋群の筋活動の中でも深部に位置する腹横筋がより先行して筋活動を開始する』

という研究報告からです。

 

これらの研究は、我々脳卒中セラピストにとってもとても有意義な研究で、姿勢コントロールの基になっている論文です。

 

ここから昨今の体幹の強さを重要視するブームとなったと考えるとやや飛躍しすぎな気もしますよね。

 

そもそもパワーの話じゃないですからね。

 

四肢の外側皮質脊髄路に先行して、体幹の皮質橋網様体脊髄路が働くことで安定した動作が可能になることが大切です。

 

ここは絶対勘違いしてはいけないと個人的に思うポイントは、『安定はすなわち剛体化というわけでもない』というところです。

 

体幹をとにかく鍛えて固定させればいいみたいな風潮ありますけど、運動において固定させるということは不利になりやすいです。

 

固定化してしまうとバリエーション豊富な運動はできません。

 

適切な安定の中で、四肢が効率よく働くからこそダイナミックな運動が可能になるんですね。

 

なので体幹の安定は大事ですが、そもそもプランクは Bracing の要素、腹圧の変化から、体幹の固定に直接的には関係していないみたいですね。

 

実際にプランク系のトレーニングしたとて、狙っている深部筋ではなく、表層のアウターマッスルが主動となるみたいです。

 

これはもはや自分で実際にやっていても実感しますけどね。

 

筋活動レベルをみた研究でも、フロントプランクでは腹直筋の筋活動は 28% MVC,腹横筋は 17% MVC,バックプランクでは脊柱起立筋は59%MVC,腹横筋は 12% MVC と深部筋はどちらも弱い活動を示しています

 

数値で出されると納得せざるを得ないですよね。

 

深部筋のトレーニングだと信じてやっていたのが、実は表層筋だったと考えると恐ろしいですよね。

 

 

 

 

プランク動作はやらない方が良いのか

 

 

じっと止まっているプランク姿勢は意味ない。

 

これ実は私、ブログ初期からずっと警鐘してきました。

 

これは私なりの日々の臨床の感覚と自分でプランクを行った感覚で言っていたんですが、研究で明らかになるとなるとめちゃくちゃ気持ちいいですね。

 

いやー、やっと自信をもって皆に伝えることが出来ました。

 

 

プランクに要する時間があるなら、普通に筋トレか競技練習をしていた方が体幹には良いと思います。

 

ただ、実際にプランクで競技パフォーマンスに寄与したという報告もあるみたいです。

 

これは多方向のプランクによる腹筋群,背筋群の筋活動の促通たことで、体幹に対する「意識づけ」を誘発したからかもしれません。

 

 

または、プラセボ的な意味合いかもしれません。

 

ただ面白いことに、プラセボだとしても実際にパフォーマンスが向上しているのであれば、それは実はもはや意味のあることに成り上がるんですね。

 

 

あともう一つ意義があるとしたら、身体軸の認識・強化には役立つかもしれませんね。

 

その選手が身体軸がブレていたり、中心軸を感じるための身体図式の形成などの目的には良いかもしれません。

 

 

どうしてもプランクを練習に取り入れるのであれば、やはり運動と組み合わせるのが良いと思います。

 

例えば、水泳選手ならプランク姿勢の中で足元にバランスボールを置き、バタ足のような動作を組み合わせましょう。

 

他には、プランク姿勢をとりながら重りを持って上肢でコントロールしたり、その姿勢のままジャンプして両手で拍手したり。

 

これらのようにダイナミックな運動を組み合わせると効果はでるのではないかな、と思います。

 

 

 

練習時間は大切

 

とにかく、体幹の剛体化・腹圧を上げたい目的であれば、プランクなどせずに、普通に競技練習していたほうがよっぽど有効なトレーニングなんですね。

 

これめちゃくちゃ大事だと思います。

 

時間は有限ですからね。

 

若い選手の時間なんて何より貴重だし、我々社会人マスターズ選手にとっては練習時間は限られています。

 

無駄なことはしない。

 

エビデンスを重視した中で行った方が効率的だと私は思っています。

 

この論文や私の書き方に賛否あると思います。

 

ただ、こういうデータもあるんだと、頭に入れておいても良いのかなと思います。

 

参考になれば。

 

 

 

 

まとめ

 

 

プランクするくらいなら競技練習せよ!!

 

 

では。