どうもパパかっぱです。
さて、定期開催している触診の勉強会をしたので、備忘録として残しておきます。
前脛骨筋、長母趾屈筋、長趾伸筋
前脛骨筋
(起始)脛骨外側面上方の1/2、骨間膜に付着。
(停止)第一楔状骨、第一中足骨底の足底側に付着。
【主な働き】
足関節を背屈する。足関節を内反する。足のアーチを維持する。
【神経支配】
深腓骨神経(L4~S1)
【前頚骨筋に関する一口メモ】
前傾骨筋は、足関節の背屈では最強の筋肉です。脛骨の外側から内側の中足骨・楔状骨に付着して、内反の力も発揮します。この筋肉の触診は簡単です。足関節を背屈して、更に足の裏を反対の足の方向に向けます。(内反)すると足首に一際大きな腱が浮き出てきますが、これが前傾骨筋の腱です。また、いわゆるスネの外側に緊張する筋腹がありますが、これが前傾骨筋の筋腹にあたります。立ったまま足首を内反すると、尚更筋腹は緊張し、判りやすくなります。視覚で確認することも出来ますので、判りやすい筋肉です。
長母趾伸筋
(起始)腓骨及び骨間膜の前面に付着。
(停止)母趾の末節骨底の背面に付着。
【主な働き】
母趾の伸展(IP関節)
【神経支配】
深腓骨神経(L4~S1)
【長母趾伸筋に関する一口メモ】
長母趾伸筋は、腓骨中央から始まって、母指の底部背側に付着しています。母趾を伸展すると共に、足関節を背屈します。この筋肉の触診は非常に困難です。まずは、足根部に力をいれて背屈します。この状態で、母趾を伸展すると、長母趾伸筋の腱が浮き出てきます。更に、脛骨前面下部に指を滑らし、母趾を伸展屈曲します。ここで、この筋の筋腹が収縮弛緩をしますが、触診は非常に困難です。前頚骨筋があまりに強力で大きいため、他の筋肉の確認を困難にしています。
長趾伸筋
(起始)脛骨上端外側面、腓骨前縁、下腿骨間膜、下腿筋膜らに付着。
(停止)第二から第五の指背腱膜に移行します。
【主な働き】
第二から第五指の背屈をする。外反する。
【神経支配】
深腓骨神経(L4~S1)
【長趾伸筋に関する一口メモ】
長趾伸筋は、脛骨前面から始まり、2~5趾の足背に付着している為、背屈と外反が主な仕事になります。特に、この筋肉の力は、底屈と背屈のバランスをとるためにも大切とされています。この筋肉の触診のコツは、足関節を背屈して脛骨前面の筋肉を緊張させます。更にこの状態で、2~5指を屈曲、伸展してみます。(自動運動にて)すると、腱が触って確認できます。更に、脛骨前面の筋腹を確かめることが可能です。この時、母趾側に張り出した腱は、前頚骨筋腱ですので、判別しなければないません。そのためにも、2~5趾の伸展、屈曲の自動運動は重要です。
触診のポイント
・足関節前面の内側から、前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋、第三腓骨筋の順に腱が存在
・前脛骨筋、長趾伸筋は停止腱から脛骨の外側顆に向かってたどる
・長腓骨筋を先に触診しておくことで長趾伸筋との境目がとらえやすくなる
・長母趾伸筋は下腿遠位1/3の高さより上部で前脛骨筋、長趾伸筋の間から深層に向かうため筋腹の触知が困難
臨床応用
脳卒中患者さんの多くは、足部の背屈(足首を上向きに動かすこと)が苦手ですね。
なんとかできたとしても、きれない背屈は起こりにくく、内反を伴う人が多いでしょうか。さらに、母趾が過剰に背屈している人もよくみかけます。
背屈+内反は前脛骨筋が担っています。
また、背屈+外反は長趾伸筋です。
患者さんの動作観察・分析によってどこの筋肉が過剰に働いているか、はたまた働いていないかを見極める必要がありますね。
さらに、歩行のどのフェーズで出現するのか、もしくは姿勢で変わるのか、環境で変わるのか、など色々な場面での細かな評価が必要になります。
そのために、筋の走行・働きを頭に入れておいて、さらに触診でしっかりと確かめる必要があります。
理想は、前脛骨筋は背屈内反、長趾伸筋は背屈外反と覚えるのではなく、筋の走行さえ明確にイメージできるようになれば、自ずとその筋がどういう働きをするかは明確になってきます。
そこまでいけるようになりたいものです。
PTにとって、解剖学は永遠と勉強し続けるべき学問ですね。
では。