どうもパパかっぱです。
最近、職場の後輩(水泳初心者)と一緒に泳ぐ機会がありました。
教える中で、小さい頃から泳いでいるスイマーにとって何気なくやっていることが、『大人から始めるとなると結構難しいことがある』という気づきを得ましたので、シリーズ化して書いていきます。
第一弾は『腕の回し方』です。
クロールのリカバリー動作で必要な“肩”としての複合体の動き
<症例(?)紹介>
・年齢:20代中盤
・性別:女性
・水泳歴:小学校の体育以来
・職業:理学療法士
・運動歴:卓球
・特技:一生懸命
(※個人情報公開の許可は頂いております)
理学療法士なので、基本的な知識はあり、専門用語で伝えることが出来ます。
しかし、クロールの腕の回し方がどうも伝わらないし、実践出来ない。
クロールで腕を回すということは、スイマーは無意識に鎖骨や肩甲骨から回していると思うのですが、実は意外と難しいことだと分かりました。
上腕骨だけを回してしまってるんですね。
上腕骨のみの肩の可動域だと、到底クロールに必要な可動性は確保できません。
肩が回らないので、どうしても身体が沈んでしまう。
呼吸時も上半身を上げてしまうので、抵抗になり余計に泳げないという悪循環に至ってしまいます。
腕はどこから生えている??
私が新人の頃に夢中に読んだ本です。
解剖・生理学の知識はもちろんのこと、ボディワーク的な内容が盛りだくさんですので、身体に興味がある人はこの本はぜひ読むことをおススメします。
ボリュームの割に、値段が安いのでめちゃくちゃお買い得です。
この本の中で
「いわゆる“腕”と肩甲骨は鎖骨を介して胸骨とつながっています。そして、“腕”を回すときに、鎖骨は動き、胸骨は動きません。つまり、“腕”の根本は、胸骨と鎖骨のつながっているところ、胸鎖関節です。」
「腕は鎖骨と胸骨のつながっているところから生えている」
という文があるのですが、水泳にはまさしく上腕骨・鎖骨・肩甲骨の複合的な動きが必要になってきます。
『腕の根本は肩ではなく、鎖骨の付け根から腕が生えている』を意識的に動かしてみる必要があります。
普段こんなこと意識しませんけどね。
しかし、この意識を持つだけでも身体の動きって変えれるものです。
肩こり等も減るかもしれません。
【上肢拳上の仕事量を100とした場合】
肩甲上腕関節:40
肩甲胸郭関節:20
肩鎖関節 :10
胸鎖関節 :10
その他 :20
●肩甲胸郭関節の仕事量が減ると、その分肩鎖関節や肩甲上腕関節に仕事量が増える(その逆もある)
⇒仕事量が増えた関節には負担がかかる
【肩関節複合体および体幹、下肢の機能的なつながり】
肩甲上腕関節
肩甲胸郭関節
体幹
下肢
(※実際にはピラミッドを想像してください。)
・肩甲上腕関節は肩甲胸郭関節機能が十分に保たれていないと、本来の機能を発揮できない。(体幹、下肢にも順次同様のことが言える)
という内容が書いてありました。
この視点ってめちゃくちゃ大事ですね。
水泳選手において、肩の故障はつきものです。
トレーナー等はどの関節に負担がかかっているかを見極めなければいけませんね。
可動性・筋力・実際の動きなどを捉えることで、ケガの予防につながります。
肩甲上腕関節、いわゆる肩を動かすためには肩甲胸郭関節がしっかり動かなければいけませんし、土台として体幹・下肢が機能しなければ十分に生かせません。
余談ですが、私はこの2週間左肩の鈍痛に悩んでしました。
ホント毎日憂鬱でした。腕を下げているととにかく痛い。
左三角筋、左斜角筋、左小胸筋、右腹直筋、左大腿筋膜張筋など自分で色々治療してきましたが、一向に良くなりませんでした。
たまたま、左の前鋸筋を触ったところ、緊張が高く、強い痛みもありました。
緊張を調整したところ、一気に左肩が楽になりました。
超びっくりしました。
痛みが大分軽減し、ハッピーです。
前鋸筋という選択肢が私の中でなかったので、これだけ時間がかかってしまいました。
なぜ前鋸筋なのかもいまいち分かりませんが、じっくりと運動連鎖を考えていきます。
腕を回転させるトレーニング
●陸上でローリングの動作を意識する練習
●カヌーのような動きを行う
●腕の入れかえがしやすくなることで、腕の回しがスムーズになる
(会話を一部抜粋、編集あり)
難しいことはよく分からんという人に、とても良い動画がありました。
前から見ると、鎖骨から動いているのが分かりますね。
後ろから見ても、腕だけじゃなくて肩甲骨の動きがかなりはっきり見えますね。
初心者の方は、長い棒をもって陸上でまずはこの動きを練習してみてください。
その際に、腕だけで回すのではなく、鎖骨や肩甲骨の動きも少し意識してみると良いかもしれません。
まとめ
腕は鎖骨と胸骨のつながっているところから生えている、と思って上肢を使っていきましょう。
手の届く世界が広がるかもしれません。
では。