どうもパパかっぱです。
『水泳初心者の後輩に教えることで気づいたことシリーズ』です。
第三弾は、【クロール時の腕の前方への残し方】です。
ちなみに、第一弾と第二弾はこちらです↓↓
水泳初心者に教えることでの気づき① ~クロールの腕の回し方。腕はどこから生えていますか??~ - 2児のパパスイマーの“継続は力なり”!
水泳初心者に教えることでの気づき② ~スタート時:潜ってから姿勢をつくって、壁を蹴る~ - 2児のパパスイマーの“継続は力なり”!
クロールで腕を前方に残す理由
経験者と初心者の泳ぎを見ていて、一番目で見て分かりやすいのは「スイーと伸びているかどうか」かなと思います。
経験者はいかにも楽そうに水を滑るようにスーッと泳ぎますよね。
反対に初心者はバシャバシャと慌ただしく腕を回しています。
おそらく浮いてる状態も難しいので、なんとか進もうと頑張って腕を回しているんだと思います。
そこで、よく指導者は「のびてー」と指導するかと思います。
その「のびて」という指示は的確でしょうか。
考えてみましょう。
「伸びて」と言われても伸びてはいけない
●「のびてー」と言われた時には伸ばしたらダメです。
●手を伸ばそうとすると、肘が反る
→肩に力が入る
⇒腰が反る
●本来ののびて≒グライド・・・何もしないで進む時間のこと
→すーっ、と流れに乗って進んでいること
⇒何もしないこと、つまり、「待って」ということ
●「手を前で待つ」ことが大事。
→手を前にある時間を長くする
⇒ゆっくりと手を戻す(リカバリー)
⇒自動的に、自然とのびれます
●「のびて」は待って、「待つ」ためにはゆっくりリカバリー
(会話を一部抜粋、編集あり)
この動画の内容、めちゃくちゃ腑に落ちました。
見つけた時感動しました。
俺も理学療法士として前からそう思ってたよ!!って叫びたくなりました(笑)
なぜなら、リハビリ場面で患者さんへ指導する上で、私は安易に「のびて」という言葉は使わないようにしています。
使うときには相当慎重に使います。
リハビリ室ではこの言葉かなり使われていますけどね。
個人的にはホントにその声掛けが適切か??っていつも思っています。(言いませんけどね・・・)
まぁ、セラピストがそこまで考えていないだけだと思うんですけど。
認知運動療法とかであれば声掛け1つにしても相当神経を使いながら選択します。
何がいけないかというと、「伸びて」って字のごとく「伸展」を表す声掛けに近いですよね。
よく立位や歩行場面でこの言葉が使われやすいんです。
例えば、体幹の伸展って後ろの反る運動のことですからね。
ホントに反る動きを誘導したいんですかね??
おそらくですけど、多くは『抗重力方向への伸展活動』を促したいんだと思うんですよね。
その声掛けは果たして「のびてー」で患者さんにうまく伝わりますかね。
見てても結構、腰や体幹を反ってしまう反応になっている場面を多く見ます。
ちなみに、私はアウェアネス介助論という本の中でみつけた、
「背中をひろくして」
という言葉を使う場面が多いかもしれません。
または、「天井から頭をつらされているように」とか言うかもです。
少なくとも安易に「のびて」という言葉はチョイスしません。
少々前書きが長くなってしまいましたが、水泳でもまさしく「伸びて」という声掛けは慎重になったほうが良いかもしれません。
その人が、その言葉で正しい運動が出来ているのであれば全く問題ありません。
もしかして、のびようとすると、手を思いっきり前に伸ばしてしまう運動が起きて、肘が伸展し、肩周りに余計な力が入ってしまっているかもしれません。
基本的には余計な力は抜いておいた方が楽に泳げます。
初心者のうちは、力を入れる場面なんて、水をかき始めるときくらいで良いと思います。
リラックスして浮くことさえできれば25mくらいは必ず泳げます。
必要なことは、『グライド』。
つまり、何もしないで進む時間のことです。
この動画では、「待って」という言葉で説明していますね。
たしかに、そっちのほうが明確で、分かりやすい人も多いかもしれませんね。
私の場合は、「我慢して」とか言うかもしれません。
「待つ」ためには、ゆっくり腕を戻してくる動作を意識すると良いかもしれません。
指導する人にとって、何気ない言葉が相手に伝わるかどうかは、かなり神経をとがらせてアクションを判断する必要があると思います。
私もリハビリや水泳を教える中で、今一度考えなおすいい機会かな、と思いました。
参考になれば。
手を浮き具として利用する
【クロールで5つの沈む理由】
クロールで沈む最後の理由として、手(腕)が前で待てないということがあげられます。
下向きの状態で浮く(伏し浮き)や、上向きの状態で浮く(背浮き)などは、手を前にした状態(バンザイの状態)で行います。
つまり、手や腕も浮くための重要な浮き具になる。ということです。
クロールを泳いでいて手が前で待てないというということは、自らその浮き具を無くしてしまうことと一緒です。
クロールで沈まないためにも、クロールを泳いでいる時はキチンと手を前で待てるようにしておきましょう!
以前に私の記事でも【高いボディポジションをキープするために】ということで、なるべく腕を残すということについて書いていました。
手を“浮き具”としてとらえるというイメージで練習すると分かりやすかったです。
私がクロールで意識していることは、なるべく水面に浮いている状態、つまり水面ギリギリで泳ぐことを目指しています。
萩野選手のクロールがとても参考になります。
ギリギリまで反対の手を我慢して残している印象を受けます。
ギリギリまで腕をかくのを我慢して、一気に下方向に押し込み、反力としては上方向に力がかかるので、高いボディポジションをキープできているのだと思います。
そのために、
●体幹(コアマッスル)の活性化
●ストリームライン
●胸郭に空気を入れる
●四肢を浮き具として利用する
を意識すると良いかもしれません。
これは初心者でも上級者でも同じです。
“手をなるべく前に残す”というのはまさしく、何もしないで進める状態(グライド)に直結しますからね。
ぜひ練習時の参考にしてみてください。
まとめ
指導する際には、その言葉がどういう運動を誘導するかを慎重に考えましょう。
では。