2児のパパスイマーの“継続は力なり”!

マスターズ水泳歴12年。短時間で効率良い練習を日々研究。-理学療法士からの視点を踏まえて-

伸張反射とはどんなものかを理解して自分なりの仮説を立てよう

どうもパパかっぱです。

 

 

 

私のブログでは『伸張反射を利用する』という仮説が良く出てきます↓↓

 

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伸張反射なんてしれっと書いてきましたが、よくよく考えてみると専門職だから分かることだよなー、と思いましたので基本に立ち返って、伸張反射とはなんぞやということについて書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

伸張反射とは

 

 

 

 

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理学療法士や作業療法士にとって最も有名な脊髄反射は、恐らく「伸張反射」と呼ばれる脊髄反射ではないでしょうか?

 

評価や治療理論に度々出てくる脊髄反射です。伸張反射は骨格筋内に存在する筋紡錘の一次終末が起源となって生じる脊髄反射です。図1を見ながら、その反射弓を追ってみましょう。

 

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骨格筋が伸張されると、筋紡錘に一次終末を作るIa群求心性線維が興奮し、上行したインパルスは後根を通って脊髄に至り、主に筋紡錘が存在する筋を支配する運動ニューロンを単シナプス性に興奮させ、筋が収縮します。

 

この一連の過程を伸張反射と呼びます。

 

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伸張反射をもう少し詳しく観察すると、「伸張反射は伸張の速度に反応する相動性伸張反射」「筋の長さに反応する緊張性伸張反射」の2つの反射から構成されていることがわかります。

 

まるで、バンズとハンバーグをまとめてハンバーガーと呼ぶように、相動性伸張反射と緊張性伸張反射をまとめて伸張反射と呼んでいるというわけです。ちなみに相動性伸張反射の亢進は痙性、緊張性伸張反射の亢進は固縮と呼ばれています。

 

検査でいうと、打腱器によって生じる伸張反射は相動性、他動的に伸張する方法では主に緊張性伸張反射が優位に出現すると考えられます。

 

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ところで、私たちが運動を行う際、必ずどこかの筋が伸ばされるわけですから、運動をするたびに伸張反射が生じていては関節運動を行うことができません。

 

これを防いでいるのが伸張反射の感度や利得(要するに反射の起こりやすさ)を調節するためのシステムです。

 

伸張反射の調節はγ運動ニューロンの活動による筋紡錘の感度を調節とIa群求心性線維の神経終末に対するシナプス前抑制によって行われています。例えば、随意運動中には皮質脊髄路による伸張反射弓に対するシナプス前抑制が働くことなどが知られています。

 

確かに、ある静的姿勢を維持しようとする時には伸張反射は強く出現した方が有利ですが、動作中は邪魔にならない程度に弱められていた方が良いですね。

 

このように伸張反射弓は上位中枢の制御を受け、反射弓の活動が強くなったり、弱くなったりしているわけです。伸張反射のように単純な反射であっても、時と場合によって常に変化しているんですね。

 

 

 

 

 

私なりのポイントは

 

 

●伸張反射は骨格筋内に存在する筋紡錘の一次終末が起源となって生じる脊髄反射

 →骨格筋が伸張される

 →筋紡錘に一次終末を作るIa群求心性線維が興奮

 →上行したインパルスは後根を通って脊髄に至る

 →主に筋紡錘が存在する筋を支配する運動ニューロンを単シナプス性に興奮

 ⇒筋が収縮する

 

 

●伸張反射は「伸張の速度に反応する相動性伸張反射」「筋の長さに反応する緊張性伸張反射」の2つの反射から構成されている

 

 

●運動するたびに伸張反射が生じていては関節運動を行うことができない

 →これを防いでいるのが伸張反射の感度や利得(要するに反射の起こりやすさ)を調節するためのシステム

 →γ運動ニューロンの活動による筋紡錘の感度を調節とIa群求心性線維の神経終末に対するシナプス前抑制

 →伸張反射弓は上位中枢の制御を受け、反射弓の活動が時と場合によって常に変化する

 

 

 

 

意識せずに調整されている

 

専門用語でよく分からないですよね。

 

要は、筋肉が伸ばされた時に脊髄のレベルで筋肉が収縮することです。

 

何か意図を持った運動をしようとしたときには、視覚野に情報が入り頭頂葉・側頭葉を経て前頭前野を通して前頭葉に行って、そこから下行性に脊髄を通して筋肉に伝わっていきます。

 

色々経由しないといけないので、やや時間がかかります。

 

反面、伸張反射というのは脊髄と筋肉間でピッと入ってピッと出ていくので速いんですね。

 

反射なので特段意識しなくても起きます。

 

それゆえに、運動時に何も考えないで使える素早い武器になるかもしれません。

 

普段の生活で何気ない動作でも伸張反射は随時出現しています。

 

簡単なところではジャンプのときのアキレス腱を介した下腿三頭筋の収縮などはイメージしやすいですかね。

 

また、スーパーで買い物をした袋を嫁に渡された時、思ったより重くて一瞬グンッって肘が伸びます。

 

伸張反射が働かないとそのまま肘が過伸展してしまいケガします。伸張反射が一瞬で発動することで上腕二頭筋が収縮して、肘を曲げた状態で保てますね。

 

その他にも色々な場面で活躍してくれています。

 

ただし、いつでもどこでも伸張反射がでまくっていたら反射による収縮が容易に出てしまい、なめらかな運動なんてできません。

 

そこで、γ運動ニューロンが筋紡錘の感度を調節してくれており、適切な運動ができるってわけですね。

 

うまいことできてます。

 

「α-γ連関」というのですが、これらの反射と調節がしっかりと活動してくれる前程として、筋のアライメントが整っているというのが重要になります。

 

非対称的な姿勢や片方の過剰な活動などによって、筋肉の本来の長さが失われてしまうと、ポテンシャルを生かしきれなくなるので、普段からのケア・コンディショニングが大切になりますね。

 

 

伸張反射についてかなり簡単に書きました。本当はこの100倍複雑で難しい話です。

 

まぁ、なんとなくこういう機序もあるだなー、というのを頭に入れてもらい、自分なりに色々仮説を立てるのも楽しいと思います。

 

質問等あればツイッターでメッセージ下さい。

 

 

 

 

 

まとめ

 

 

伸張反射を理解して、自分なりに仮説を立てて楽しもう。

 

 

では。