どうもパパかっぱです。
今日は、月一回開催の触診勉強会でした。
今回は僧帽筋。
一般的には肩こりの原因となりうる筋肉ですかね。
備忘録を兼ねて、僧帽筋のお勉強です。
僧帽筋の解剖
【僧帽筋の起始・停止】
(起始)
上部は、後頭骨上項線、項靭帯に付着。
中部は、T1~T6の椎体の棘突起、棘上靭帯に付着。
下部は、T7~T12の椎体の棘突起、棘上靭帯に付着。
(停止)
上部は、鎖骨の外方1/3に付着。
中部は、肩甲骨の肩峰、肩甲棘に付着。
下部は、肩甲棘に付着。
【僧帽筋の主な働き】
上部は、肩甲骨を後退、挙上、上方回線する。
中部は、肩甲骨を後退する。
下部は、肩甲骨を後退、下制、下方回旋する。
【僧帽筋の神経支配】
頚神経、副神経
【僧帽筋に関する一口メモ】
僧帽筋は、肩こりの自覚症状を起こす主要な原因筋として、広く知られています。この筋肉は、上部、中部、下部の繊維に分類され、それぞれの働きは違っています。後退とは、肩甲骨が脊椎の方向に移動すること指します。また、上方回旋は、後方から見て、右肩甲骨ならば、反時計回りで、下方回旋が時計回りとなります。左の肩甲骨は、この逆となります。僧帽筋が、全体的に緊張すると、肩甲骨を肋骨に安定し、重いものを持ったりすることが出来るように働きます。
http://www.musculature.biz/40/45/post_86/
触診のポイント
●外後頭隆起を探す
→耳の穴と鼻のラインを目安に。思っているより上にある。
※後頭骨下端と間違わないように注意
●僧帽筋下部の起始であるTh12を探す。
→『肩甲骨下角を目安にしたTh7』と『腸骨稜上縁を目安としたL4/5』を探し、その中点でTh12を見つける。
※腸骨稜は肋骨部から降りてって上から下に押し当てながら探す。3Dでとらえ、一番上縁をとらえる。)
●下行部は、聴診三角を探し、僧帽筋下部の外側縁のラインをとる
→(下方へ)聴診三角で見つけた下部の外側縁からTh12へ向かってたどる。
→(上方へ)肩甲棘内側端の2~3横指内側を目安にたどる。ただし、肩甲骨にぶつかってからは肩甲骨に沿って上がる。肩甲骨上はほぼ膜様になっている。
※全体として薄い筋肉なので、ヌルッっと動く。一方を抑えたりしながら触診すると分かりやすい。
また、手を拳上してもらうと筋腹が浮き出てくるので、確認しながらたどる。
●横行部は、肩甲棘のラインとC7を目安に、肩甲棘と肩峰へたどる
→内側は腱様になって三角形をつくっている。
●下行部は、鎖骨の外側1/3を目安に外後頭隆起の2横指外側からたどる
→薄い筋肉なので、つまみあげたりしながらたどる。
→前頸三角(胸鎖乳突筋と僧帽筋と鎖骨)を目安にたどる。
臨床的な視点から
表層にある筋肉なので、過剰に働いてしまう場面が臨床では多々見られます。
僧帽筋の過活動による肩甲骨のアライメントの崩れを引き起こし、肩~肩甲帯周囲の安定性が低下する場面も見られます。
逆もあり得ますけどね。肩周囲のインナーマッスルの不活性による肩の不安定性を僧帽筋が代償している、と。
細かな評価が必要になりますね。
また、翼状肩甲が見られたら、僧帽筋や前鋸筋を考えます。
腕を前方に挙げる肩関節の屈曲動作が制限されている症例では、肩関節の着衣をとって診察します。腕を前方に挙上する動作で、肩甲骨の内側縁が浮き上がる原因は前述のようにいくつかあるので、鑑別しなければなりません。
副神経支配の僧帽筋の萎縮がないか、肩甲背神経支配の菱形筋の麻痺がないか観察します。前鋸筋麻痺では、壁に両手をあてて上体を前方に倒すと、麻痺している側の肩甲骨の内側縁が浮き上がって来ます。
肩関節外転拘縮例では、肘を体につけようとすると、外旋拘縮例では肘を体に付けて手を前方に回すと肩甲骨が浮いて来ます。
進行性筋ジストロフィー例では両側に見られます。
同じような肩甲骨が浮き上がるという現象でも、原因は副神経支配による僧帽筋なのか、肩甲背神経支配による前鋸筋なのか、は考えなければいけないということですね。
●副神経麻痺による翼状肩甲・・・肩関節外転時に著明
●長胸神経麻痺による翼状肩甲・・・肩関節屈曲時に著明
筋連結
●小菱形筋
●大菱形筋
●上後鋸筋
●三角筋
特に、三角筋とは上腕の動きと関連が深く、上腕の肢位によって上部・中部・下部とお互いが引き合う関係になり、収縮効率を高める役割をしています。
しっかりと筋の走行をイメージできるようになっておきましょう。
僧帽筋の鍛え方
これはオマケです。
筋トレで僧帽筋上部・中部のトレーニング方法の1つです。
スミスマシンでのワンハンドローイング。
筋の収縮を見てると、僧帽筋が働いているのが目に見えて分かりますね。
上部・中部と書いてますけど、動画を見る感じとしては下部にもバチバチに入ってそうですけどね。
肩甲骨のスタートポジションがあれだけ外転とやや上方回旋位から始まるので、下部も働くと私は思います。
このポジションで行うメリットとしては腰への負担が減ることみたいですね。
もう片方の手で支えられるので。
腰への負担はトレーニーにとっては死活問題となり得るので、こういう視点は大事ですね。
私もやってみようかと思います。
ただ、私のジムはスミスマシンが一つしかないので、なかなかあかないのが難点です。
自分なりに応用して、インクラインベンチを使って、ダンベルでも出来そうですね。
まとめ
僧帽筋は、表層にありとても薄い筋肉です。
上部・中部・下部と広い範囲で付着しているため、作用も対になる場面もあります。
解剖をしっかり頭に入れて、どの部位が原因で目の前の現象が起きているかのヒントにしましょう。
では。