2児のパパスイマーの“継続は力なり”!

マスターズ水泳歴12年。短時間で効率良い練習を日々研究。-理学療法士からの視点を踏まえて-

【論文考察】スイマーズショルダーを有するエリート競泳選手のバタフライ泳時の筋協調性を解明

どうもパパかっぱです。

 

・・・大スランプ中でございます。

 

なんか身体の動きと感覚が一致していません。

 

頭ではこう動かしたいってのがあるんですが、実際に思うように動かせない。

 

フィードバック情報としての感覚入力も適切には処理できていない気がします。

 

これは良くないですねー。

 

マスターズ水泳始めてから初めてです、こんな感じ。

 

解決方法も分かりません。

 

思い切って1年くらい休んでみるってのもありなのかなー、なんてちょっと思ってます。

 

まぁ、ぼちぼち考えます。

 

 

今回も論文から新たな知識を得ましょう。

 

 

 

スイマーズショルダーを有するエリート競泳選手のバタフライ泳時の筋協調性を解明

 

 

 

www.nuhw.ac.jp

 

この度新潟医療福祉大学 健康スポーツ学科 松浦由生子講師の研究グループは、競泳競技で最も多い運動器障害であるスイマーズショルダー(肩関節痛)の発生メカニズムを解明するために、協調性の観点からスイマーズショルダーを有するエリート選手のバタフライ泳時の特徴を明らかにしました。スイマーズショルダーを有する選手は健常選手と比較して、プル動作初期の大胸筋の活動を大腿直筋で補っていること、プル動作後期の僧帽筋下部の関与が少なく、手が入水する直前・直後には僧帽筋上部の関与が大きいことが分かりました。本成果は、競泳選手のバタフライのパフォーマンス向上やリハビリテーションに貢献できるものです。また、本研究成果は、国際誌 Scientific Reports (9月6日付)で掲載されました。

 

【研究成果のポイント】
競泳競技におけるバタフライ泳では体幹のうねり動作を含み、上肢と体幹・下肢のタイミングや連動性が重要であると考えられていましたが、スイマーズショルダーを有する選手のバタフライ泳時の全身の筋協調性については分かっていませんでした。
今回の研究により、スイマーズショルダーを有する選手は健常選手と比較してバタフライ泳時の筋協調性が異なることが明らかとなりました。
バタフライ泳におけるスイマーズショルダーの予防やリハビリテーションにおいては、肩関節周囲のみならず、タイミング毎にターゲットとなる筋に着目し、上肢・体幹・下肢筋の協調性を改善するエクササイズの導入が重要であることが示唆されました。

 

【研究概要】
競泳選手に最も多い運動器障害は『スイマーズショルダー』と称される肩関節痛であることが報告されています。これまでの研究においては、スイマーズショルダーの発生要因に関して、肩関節周囲の動きのみに着目しており、他関節部位との関連は明らかにされていません。バタフライ泳では体幹のうねり動作を含み、上肢と体幹・下肢のタイミングや連動性が重要となるため、肩関節だけでなく体幹や下肢を含む全身の協調性を明らかにする必要があります。
本研究ではエリート競泳選手20名を対象に上肢・体幹・下肢の全12筋の筋活動を計測し、協調性を評価することができるシナジー解析を用いて、バタフライ泳時の筋協調性をスイマーズショルダーの有無で比較しました。その結果、スイマーズショルダーを有する選手はプル動作初期の大胸筋の活動を大腿直筋で補っていること、プル動作後期の僧帽筋下部の関与が少なく、手が入水する直前・直後には僧帽筋上部の関与が大きいことが分かりました。
本研究で筋協調性に着目したことで、バタフライ泳におけるスイマーズショルダーでは肩関節周囲のみならず、全身の協調性改善が重要であることが示唆されました。本成果を踏まえて、タイミング毎にターゲットとなる筋に着目した、上肢・体幹・下肢筋の協調性エクササイズがスイマーズショルダーの予防やリハビリテーションにおいて重要となるかもしれません。

 

【スイマーズショルダーの選手のバタフライ泳時の筋協調性の特徴】
スイマーズショルダーを有する選手はプル動作初期の大胸筋の活動を大腿直筋で補っていること、プル動作後期の僧帽筋下部の関与が少なく、手が入水する直前・直後には僧帽筋上部の関与が大きいことが明らかになった。

 

 

 

私なりのポイントは

 

●スイマーズショルダーを有する選手(バタフライ)

 →プル動作初期の大胸筋の活動を大腿直筋で補っている

 →プル動作後期の僧帽筋下部の関与が少なく、手が入水する直前・直後には僧帽筋上部の関与が大きい

 ⇒バタフライ泳時の筋協調性が異なる

 

●予防やリハビリテーション

 →肩関節周囲のみならず、タイミング毎にターゲットとなる筋に着目

 ⇒上肢・体幹・下肢筋の協調性を改善するエクササイズの導入が重要

 

 

 

 

筋協調性の再学習が必要

 

これは興味深い研究ですね。

 

そもそもスイマーズショルダーとは

『水泳のクロールやバタフライなどの泳法で起こりやすく、肩関節のインピンジメント症候群や肩関節周囲の筋疲労が起こり、肩の動作痛や圧痛、重だるさなど』

水泳肩(スイマーズショルダー) - 鷺沼カイロプラクティック鍼灸整体院

 

みたいです。

 

私は短時間しか練習しないので全然大丈夫ですが、バリバリ泳いでいる選手はなり得そうですね。

 

泳いでいて肩の痛みが出現する選手は、もしかして肩関節周囲炎やインピンジメント症候群かもしれません。

 

 

さて、この論文では肩に痛みのあるエリート選手の泳ぎを解析したところ、

『プル動作初期の大胸筋の活動を大腿直筋で補っている』

『プル動作後期の僧帽筋下部の関与が少なく、手が入水する直前・直後には僧帽筋上部の関与が大きい』

ということが分かりました。

 

肩が痛いので、大胸筋や僧帽筋下部をうまく使えていないということなんですね。

 

その分、下肢の筋肉である大腿直筋で代償していると。さらに、僧帽筋上部が過剰に働いてしまっていると。

 

ここで個人的に疑問なのは、「肩が痛くなったからこういう泳ぎになったのか」もしくは「こういう泳ぎをしていたから肩が痛くなったのか」はとても興味ありますね。

 

卵が先か鶏が先か、みたいになってしまいますけど、ここって予防や治療の観点でいうと結構重要だと思うんですよね。

 

では、筋肉の協調性とはなんぞやというと

『筋肉活動協調性とは、ある運動をする時の伸びる筋肉と縮む筋肉とのバランス及び伸び縮みのタイミングである。 運動はほぼ全て筋肉により制御されているため、その協調性は行動を、なめらかに、素早く、正確に行なうために非常に重要である。』

Cerebellum

 

です。

 

要は運動制御による筋肉の収縮する適切なタイミング、組み合わせですね。

 

筋協調性がないと、いわゆる滑らかな運動ができません。

 

脳卒中患者さんではこの協調性がとても重要なポイントです。

 

スポーツでも同様で、適切なタイミングで適切な筋肉が収縮しないと、どこかしらに負荷が過剰にかかってしまい痛みにつながってしまいますね。

 

つまり、肩の痛い選手に対して肩の治療だけではなく、陸上または水中で適切な筋肉のコーディネーションの学習は必要になります。

 

ここは理学療法士の得意分野なので、やはり理学療法士が水泳選手に関わる場面はもっとあっても良いと思うんですけどね。

 

今回はとてもいい視点を学びました。

 

ご参考になれば。

 

 

 

 

まとめ

 

筋肉の協調性を改善する、という視点も持とう

 

では。