2児のパパスイマーの“継続は力なり”!

マスターズ水泳歴10年。短時間で効率良い練習を日々研究。-理学療法士からの視点を踏まえて-

【論文考察】体幹深部筋トレーニング介入の効果

どうもパパかっぱです。

 

 

先日、久々に体重計乗ったら66㎏・・・。

一番痩せている時から3㎏も太りました。

 

まぁ、運動量減って好きなだけ食べてたらそりゃ太りますね。

 

3㎏違うと、体感としても分かりますね。

重たいです。

そりゃー、3㎏の鉄アレイついてるのと同じですからね。

 

 どこまで太るか気にせず食べてみようと思います。

 

さて、今日も論文を勉強していきましょう。

 

 

www.papakappa-swim.com

www.papakappa-swim.com

 

 

 

 

 

体幹深部筋トレーニング介入の効果 

 

 

 

 

 

https://core.ac.uk/download/pdf/159504273.pdf#search='%E6%B0%B4%E6%B3%B3+%E8%AB%96%E6%96%87'

 

【緒言】

競泳の動作は体幹が中心となり四肢を動かすため,体幹深部筋による体幹安定性の向上がパフォーマンス向上に貢献すると考えられている[54].競泳競技では日常のトレーニングからレース前のウォーミングアップに至るまでの幅広い場面でこの Stabilization exercises が実施されており,クロール泳においてはパフォーマンスを高めることが示唆されている [50].

研究2においてスタート動作時に体幹筋群の高い活動が確認された.
そこで , Stabilization exercises を 介入する ことにより,即時的に体幹安定性をさらに 高めることができれば,スタート局面におけるパフォーマンス向上につながると考える. こ の Stabilization exercises の即時効果に関しては陸上でのリバウンドジャンプに有益な効果を与えることが明らかとなっている [55].そこで本研究では Stabilization exercises が競泳スタート動作に与える即時効果を検討することを目的とした.

 

【トレーニング介入】

体幹の安定性制御には体幹筋が重要であるとされており [56],それらの筋を賦活化させるトレーニングはしばしば Stabilization exercises と呼ばれる.この Stabilization exercises の中で,先行研究によって実際に Stabilization exercises 中に体幹筋の活動が高まることが確認されてい る ,「Elbow Knee」,「Elbow Knee+手挙げ 」,「Elbow Knee+ 脚挙 げ」 の 3 種目とした( 図 32).

「Elbow Knee」 は腹臥位姿勢で肘と膝で身体を支える姿勢を 60 秒間保持させた.この時,肩関節は約 90 度屈曲位にし,股関節は屈曲や伸展をしないようさせ,膝から肩までが直線になるようにした .

「 Elbow Knee+手挙げ」は「 Elbow Knee」の姿勢から上肢を交互に挙上させた.挙上は肩関節180 度屈曲位となるようにし,回数は左右 15 回ずつの合計 30 回 を 60bpm のテンポで実施した.テンポは実際に被験者にメトロノームで 60bpm のテンポ を聞かせ て,そのテンポに合わせるようにさせた .

「 Elbow Knee+脚挙げ」は下肢を交互に浮かせるようにさせ,テンポや回数は「手挙げ」と同様にした.なお,脚を挙げる高さは特に規定せず,床から離れれば可とした. なお本研究で用いた Stabilization exercises は競泳のナショナルチームが実際にレース前に実施しているものを参考とした.


先行研究において,脊椎の安定性を制御するためには最大随意収縮の30%程度で十分であると示されている [58].また, Stabilization exe rcises のなかでも,強度が低いHand-Knee exerciseでも体幹深部筋の十分な活動が確認されている [57].

それらの結果より,本研究で用いる上記 Sbilization exercises は介入として適当な強度であったといえる.

 

【考察】

近年多くのスポーツ現場で様々なStabilization exercises が取り入れられているが , 運動パフォーマンスに与える効果は明らかにされていなかった.

このため Stabilization exercises が競泳レースのスタート局面におけるパフォーマンスに与える影響を検討した結果 ,Stabilizationexercises の介入により,スタート後5m到達時の速度が有意に向上する結果となった.


時間に関しては 5m 到達タイム ( T5 m) が Stabilization exercises介入直後に 0.019 秒短縮した ( p=0.020).この時間短縮は僅かなものではあるが, 1000 分 の 1 秒のタイムを争う競泳競技において約 0.02 秒の短縮は大きな意味があると考える.

また,速度に関しても 5m 到達時の速度 ( V5 m ) が有意に上昇しており,この速度の上昇がタイムの向上につながっていると考える. Entry 瞬間の速度には変化が見られないことから , Stabilization exercises 介入によりスタート台を蹴りだす力には変化がないと考える.
Stabilization exercises 介入後は介入前よりも 5m 到達時の瞬間速度が速くなっていいたが,このことは入水時の減速を抑制したことを示している.実際に減速率を算出し検討したところ,減速率 が 12.8% か ら7.6%へ と 有意な減少を認めた( 図 33).

 

競泳では入水の瞬間に肩や胸部に大きな力が加わることがシミュレーション を用いた研究により明らかとなっている [43].入水時に体幹を固定することが出来なければ入水時に上肢などに加わる衝撃に耐えることがで きず,入水時の姿勢が崩れ,抵抗が増えるため減速に繋がると考える.しかし, Stabilization exe rcises を実施することで体幹を安定させるために必要な筋群が即時的に賦活化 され,入水時の衝撃による体幹の動揺を減少していたと考える.そのことが結果として減速を減らし, 5m 到達時に高い速度を保つことができていたと考える.


これらのことから,本研究で実施した Stabilization exercises は競泳のスタート局面におけるパフォーマンスを即時的に改善し,競泳レースにおけるパフォーマンスの向上に繋がると考える.なお,本研究の被験者は日頃のトレーニングの中でも類似したトレーニングをしている選手であったにもかかわらず即時的な効果が認められたことからも,幅広いレベルの選手のウォーミングアップなどで有用であると言える.

 

【結論】

競泳競技において, Stabilization exercises 介入を実施することでスタートから 5m 到達までのタイムが即時的に短縮され,競泳競技のパフォーマンス向上につながることが示唆された.

 

 

 

 

 

私なりのポイントをまとめ

 

●Stabilization exercisesが競泳スタート動作に与える即時効果を検討

 

●「Elbow Knee」「Elbow Knee+手挙げ」「Elbow Knee+ 脚挙げ」の3種目

 

●脊椎の安定性を制御するためには最大随意収縮の30%程度で十分

 

●Stabilizationexercisesの介入により、スタート後5m到達時の速度が有意に向上する

 

●時間に関しては5m到達タイムがStabilization exercises介入直後に0.019秒短縮した

 

●スタート台を蹴りだす力には変化がない

 

●5m到達時の瞬間速度が速くなっていたことは入水時の減速を抑制した

 

●Stabilization exercisesにより、入水時の衝撃による体幹の動揺を減少していたと考える。

 

 

 

私なりのまとめはこんな感じです。

 

前回の『競泳スタート動作の体幹筋の筋活動』と合わせて読むと分かりやすいかもしれません。

 

要は、体幹筋の賦活は姿勢の安定性向上をもたらし、スタートが速くなるよってことです。

実際、0.019秒でも大きいですよね。

 

「Elbow Knee」

「Elbow Knee+手挙げ」

「Elbow Knee+ 脚挙げ」

の三種類のエクササイズについては、原著の(図32)を見た方がイメージつきやすいと思います。

 

いわゆる一般的な体幹筋のトレーニングに近いです。

 

大事なのはいつも言っているように、じっとしているだけではなく、四肢を動かすことで体幹を賦活するってことですね。

 

神経学的にも理に適っています。

 

即時効果が認められているようなので、大会の召集前にこのエクササイズは実施してみると良いかもしれませんね。

 

 

 

まとめ

 

 

大会当日の召集前にStabilization exercisesを行い、 スタートから5mまでのタイムを縮めてベストを目指そう!!

 

 

では。