2児のパパスイマーの“継続は力なり”!

マスターズ水泳歴10年。短時間で効率良い練習を日々研究。-理学療法士からの視点を踏まえて-

【論文考察】水泳選手における腰痛が胸腰椎,肩甲骨の可動性に及ぼす影響

どうもパパかっぱです。

 

 

 

こないだ練習でタバタトレーニングをしてみました↓↓

 

www.papakappa-swim.com

 

私なりに応用して『25mダッシュを8本、ついてから10秒休憩』です。

 

めっちゃきつかったですね。

 

もう4本目終わりくらいで「ちょっと休んじゃえば?」と心の声が聞こえるんですよね(笑)

 

そこを乗り越えて達成することに意味があるんですねー。

 

精神力のトレーニングにもなると思ったので、継続してみます。

 

一人で練習しているとどうしても甘えがでちゃいますからね。

 

スイム練習、2回に1回くらいにしようかな。

 

 

さて、お勉強です。

 

 

 

 

水泳選手における腰痛が胸腰椎,肩甲骨の可動性に及ぼす影響

 

 

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2015/0/2015_1332/_pdf/-char/ja

 

 【はじめに,目的】
水泳選手の障害では腰痛が最も多く,水泳特有の Stream Line(両手足が伸びた状態で水中での抵抗を軽減するための肢位:以下 SL)時の腰椎の過度な前彎が関与すると報告されている。その主な要因として肩甲骨の可動性低下が挙げられるが,腰痛とこれらの関係については不明である。本研究の目的は水泳選手における腰痛が胸椎後彎角,腰椎前彎角および肩甲骨の可動性に及ぼす影響を明らかにすることである。

 

 

【方法】
対象は水泳部に在籍する男子大学生 22 名(非腰痛群 15 名,腰痛群 7 名)とした。胸腰椎の角度は上肢下垂位,SL 時の各椎間関節の前後彎をスパイナルマウスⓇ(index 社製)を用いて測定し,また 2 肢位間の変化量も求めた。肩甲骨の可動性はテープメジャーを用い上肢下垂位,SL 時の肩甲骨の位置を測定し,上肢下垂位と SL 時との差を算出した。その可動性は第 7 頸椎棘突起(O),肩甲棘内側端(A),肩甲骨下角(B)を骨指標とし,O の垂線と A,B の水平線が交わる点をそれぞれ A´,B´と定め,2 点間距離の増減(OAʼ距離:肩甲骨拳上・下制,AAʼ距離:内外転,OBʼ距離は上方・下方回旋,BBʼ距離:上方回旋)で判断した。疼痛は直線 100mm の視覚的アナログスケールを用いて測定した。統計学的解析は非腰痛群と腰痛群との間で肩甲骨の可動性,胸腰椎の角度,および変化量を比較するため t 検定を用いた。また疼痛と各測定項目との関連性を検証するためPearson の積率相関係数を求めた。

 

 

【結果】
胸椎後弯角,腰椎前弯角は上肢下垂位,SL 時とも 2 群間に有意差は認められなかった。胸椎後彎角変化量では腰痛群が非腰痛群に対して有意に低値を示し(6.57±6.97 vs 15.67±6.98;p=0.013),疼痛との間に有意な正の相関関係を認めた(r=0.457,p<0.05)。腰椎前彎角及び変化量は 2 群間での有意差や疼痛との相関関係は認められなかった。
肩甲骨の可動性は OB´, BB´距離で腰痛群が非腰痛群に対して有意に低値を示した(それぞれ2.07±3.26vs 4.10±1.70;p=0.017,4.14±2.17 vs 6.27±1.48;p=0.027)。また疼痛と OB´距離との間に有意な正の相関,BB´距離との間に有意な負の相関を認めた(それぞれ r=0.531,r=0.472,p<0.05)。



【結論】
水泳選手の腰痛は上肢下垂位から SL をとる際,胸椎後弯角の変化量や肩甲骨の可動性である OBʼおよび BBʼが低値を示したことから,胸椎伸展と肩甲骨上方回旋の可動性を低下させることが明らかとなった。またこれらは腰痛との相関関係が認められたことから,胸椎や肩甲骨の可動性低下は更なる腰痛の発現など悪循環に陥る可能性もある。したがって理学療法においては腰痛自体の管理に加え,胸椎や肩甲骨に対するアプローチも必要であることが示唆さえた。

 

 

 

 

 

私なりのポイントとしては、

 

 

●水泳選手の腰痛は、上肢下垂位からStream Lineをとる際、胸椎伸展と肩甲骨上方回旋の可動性を低下させる

 →腰痛との相関関係あり

 

 

●胸椎や肩甲骨の可動性低下は更なる腰痛の発現など悪循環に陥る可能性

 →胸椎や肩甲骨に対するアプローチも必要

 

 

 です。

 

 

全身を診よう

 

水泳って人同士の接触がないので比較的ケガの少ないスポーツだと思いますが、その中でも痛めやすい部位と言えば、肩と腰ですよね。

 

ほぼここなんじゃないでしょうかね。

 

みなさんは腰痛ありますか?私はないです。

 

持論として、セラピストは腰痛になってはいけないと思ってますからね。

 

自分の身体の使い方が下手だと腰痛になりやすいと思います。

 

 

この論文では、腰痛に焦点を当てたものです。

 

簡単に言えば、

 

 腰痛 ⇔ 胸腰椎・肩甲骨の可動性

 

が深く関連しているということですね。

 

“卵が先か、鶏が先か”でどちらが先かはっきりと分かるものではないかもしれません。

 

腰痛にならないためには、腰回りだけを気にするのではなくて、胸椎や肩甲骨まで配慮せよということですね。

 

我々治療家の世界ではもはや常識です。

 

症状として腰痛が現れているのであって、原因はどこか違うところにあることが多いです。

 

その原因探しをするのが楽しいんですよね。

ゲームの攻略方法を探すのに近い感覚かもしれません。

 

 

水泳やっている方で、腰痛があるという人は胸椎や肩甲骨、はたまた離れた部位も気にすると良いかもしれません。

 

胸椎・肩甲骨のストレッチや可動性のトレーニングも行いましょう。

 

 

 

まとめ

 

 

腰痛と胸腰椎・肩甲骨の可動性はセットで考えると良いでしょう。

 

 

では。